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title: アメリカの意匠制度概要｜弁理士が解説｜弁理士が解説
description: 米国意匠特許と日本意匠制度を7つの観点（登録要件・出願手続・保護期間・侵害要件・損害賠償・国際出願・図面要件）から徹底比較。弁理士が日米の制度の違いと実務上の注意点をわかりやすく解説します。
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 2025/07/26

# アメリカの意匠制度概要

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米国の意匠特許（Design Patent）制度は、日本の意匠登録制度と基本的な枠組みは共通しながらも、審査基準の運用や権利行使のルールにおいて重要な違いがあります。本記事では、登録要件・出願手続・保護期間・侵害要件・損害賠償・国際出願・図面要件の7つの観点から、米国と日本の意匠制度を詳しく比較解説します。日本企業が米国で意匠権を取得・活用する際に押さえるべきポイントを網羅的に整理しました。

目次

1. [登録要件（新規性・非自明性・意匠性など）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a1)
2. [出願手続（出願書類・審査・手数料など）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a2)
3. [保護期間](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a3)
4. [侵害要件（侵害の判断基準・権利範囲）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a4)
5. [損害賠償（救済措置・賠償額）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a5)
6. [国際出願（ハーグ協定）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a6)
7. [図面要件（図面の品質基準・破線表示等）](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a7)
8. [米国・日本の意匠制度 比較表](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a8)
9. [参考資料](https://www.evorix.jp/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%8C%A0%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81#a9)

## 1. 登録要件（新規性・非自明性・意匠性など）

### 米国の登録要件

米国の意匠特許は特許法の一部として規定されており、**「製造物品のための新規で独創的かつ装飾的な意匠」**であることが要求されます。具体的には、以下の3つの要件を満たす必要があります。

**1. 新規性（Novelty）**

「平均的な観察者」（ordinary observer）の視点で判断されます。有効出願日以前に公知となった意匠と全体として同一の印象を与える意匠は新規性がないとみなされます。米国では**比較対象となる物品の分野（用途や種類）が異なっていても新規性の判断対象**となる点が特徴です。

**2. 非自明性（Non-obviousness）**

日本の「創作非容易性」に相当し、先行意匠から見て**当該分野の通常のデザイナーにとって容易に想到できない意匠**であることが求められます。

**3. 装飾性（Ornamentality）**

意匠が**純粋に機能に由来する形状ではなく、審美的な装飾性を有すること**が求められます。製品の形状がその機能上不可欠で装飾的要素が皆無な場合には、意匠特許の対象になりません。

**グレースピリオド（猶予期間）**：米国では創作者自身による公表から**1年以内**であれば手続不要で新規性喪失の例外が自動適用されます。フォントやアイコン、画面表示も「製造物品の意匠」として保護可能で、意匠の保護範囲が比較的広い点も特徴です。

### 日本の登録要件

日本の意匠法においても**新規性**および**創作非容易性**（米国の非自明性に相当）が登録要件です。意匠法第3条により、出願前に公然知られた意匠と同一または類似の意匠は登録できず、容易に創作できる意匠も拒絶されます。

日本では意匠の定義として「物品（部分を含む）の形状・模様・色彩（または結合）であって**視覚を通じて美感を起こさせるもの**」と規定されており、美感（審美性）を生じない純粋に機能だけの形状は保護対象になりません。

**米国との重要な違い**：日本では**比較対象とする物品の用途・機能が同一または類似であること**が前提となります。形状が同じでも用途・機能が全く異なる物品同士（例：同じデザインのメダルとチョコレート）であれば意匠は非類似と判断されます。一方、米国では物品分野を問わず新規性・非自明性を審査します。

日本にも自己開示に基づくグレースピリオドがあり、近年の法改正で**出願前1年以内**の自己公表について例外適用が可能になりました（従来6ヶ月）。ただし、日本では出願時に所定の手続（例外適用の申請と証明書類提出等）が必要であり、手続不要で自動適用される米国と異なります。

また、日本も2020年の法改正で**画像デザイン（画面表示やアイコン自体）の保護**が可能となりましたが、歴史的には物品性に重きを置いてきた経緯があります。総じて、米国・日本とも登録要件自体は大枠で共通しますが、物品の捉え方や猶予期間の運用、装飾性要件の明示などに制度上の特徴があります。

## 2. 出願手続（出願書類・審査・手数料など）

### 米国の出願手続

米国で意匠特許を出願する際は、**特許出願に準じた書式**で行います。出願に必要な書類は以下の通りです。

**願書（Application）**：出願人情報や発明者（創作者）情報を記載

**図面（Drawings）**：精密な線画＋陰影が推奨

**クレーム**：通常一つのみ。「The ornamental design for \<製品名称\>, as shown and described.」という定型文で記載

**発明者による宣誓書（Oath/Declaration）**：発明者が自分が意匠の創作者であることを宣誓した書面

**情報開示陳述書（IDS）**：申請人が知り得る関連する先行意匠文献の開示

**IDS提出義務に注意**：日本とは異なり、米国出願人には先行意匠の開示義務が課されています。これを怠ると不誠実な手続（inequitable conduct）と見なされ、登録後であっても権利行使が制限される可能性があります。

米国は**一意匠一出願が原則**ですが、複数の意匠が単一の創作概念に属すると判断される場合、複数の実施例（Embodiments）を1件の出願に含めることが認められる場合があります。審査官が単一性要件を満たさないと判断した場合、限定要求（Restriction Requirement）が出され、出願を分割するか請求範囲を絞り込む必要があります。

類似する意匠を別々に出願すると、後願に対し先願を引用して非自明性欠如の拒絶理由が出る場合があり、これに対処するため**ターミナルディスクレーマ**（後願の存続期間を先願と同日に終了させる手続）を行うケースもあります。

### 米国の審査と費用

米国では意匠も**実体審査主義**です。出願後、USPTOの意匠専門審査官が先行意匠を調査し、新規性・非自明性・意匠性などを審査します。審査期間は平均して**8～12ヶ月程度**で第一次審査結果（オフィスアクション）が通知されます。

**米国意匠特許の主な費用（大企業の場合）**

出願時：合計約$1,000～$1,500（基本出願料$250＋検索料$160＋審査料$160等）

登録時（特許発行時）：約$1,000前後（2025年には$1,300に値上げ予定）

中小企業・個人（Small/Micro Entity）：半額または1/4に減額制度あり

**維持年金：不要**（存続期間中の年金支払い義務なし）

### 日本の出願手続

日本では**意匠登録出願**として独立の意匠法手続が定められています。願書には意匠の名称（物品名）、創作者・出願人情報などを記載し、図面又は写真を提出します（近年の改正で写真やCG図面による出願も可能になりました）。

日本の意匠出願では**クレームの記載は不要**で、提出した図面そのものが権利範囲を画定します。また**一出願一意匠**が原則であり、米国のように複数意匠を一つの出願に含めることは基本的にできません。デザインのバリエーションを複数保護したい場合は個別に出願する必要があります。

ただし、**関連意匠制度**があり、本意匠に類似するデザインについて関連意匠として紐付けて権利化することが可能です（2020年改正で関連意匠出願可能期間が拡大されています）。また**部分意匠**も独立の出願区分として出願でき、米国のように後から部分意匠に補正変更することは認められず、出願時に部分意匠として図面を提出する必要があります。

### 日本の審査と費用

日本も**実体審査を行う審査登録主義**で、一次審査通知までの期間は平均6～7ヶ月程度、スムーズなら出願から約8～12ヶ月で登録査定に至るケースが多いです。審査請求は不要で、出願と同時に審査されます。

**日本意匠登録の主な費用**

出願料：16,000円

設定登録料：年額8,500円 x 3年分 = 25,500円（一括納付）

4年目以降の年金：各年16,900円（25年目まで毎年納付）

**維持年金：必要**（最大25年分）

**秘密意匠制度**：日本には登録から最長3年間、公報に掲載される意匠を非公開にできる制度があります。一方、米国では出願中の意匠は原則非公開（特許として発行されて初めて公表）のため、出願から登録まで自動的に秘密状態が保たれます。

## 3. 保護期間

### 米国の保護期間

米国意匠特許の存続期間は、**意匠特許発行日（登録日）から15年**です。以前は14年でしたが、2015年の法改正（ハーグ協定加入に伴う改正）により現在は15年に延長されています。この期間中は年次維持料が不要で、出願から権利満了まで追加費用なく保護が継続します。また、意匠出願が特許として権利化されない限り公表されないため、15年のカウントダウンが始まるのは発行時点となります。

### 日本の保護期間

日本の意匠権の存続期間は近年延長され、**出願日から25年**となりました（2020年4月1日施行の改正法。それ以前の出願は「登録日から20年」）。存続期間の計算起点が出願日であるため、審査・登録に要した期間も含めて最大25年間保護されます。日本では毎年の年金納付が必要であり、年金未納で権利が消滅する点にも留意が必要です。

**保護期間のポイント**：米国意匠特許は期間が短い（15年）代わりに維持の手間がかからないのに対し、日本意匠権は期間が長い（25年）反面、毎年の維持管理が必要です。

## 4. 侵害要件（侵害の判断基準・権利範囲）

### 米国の侵害判断

米国意匠特許の侵害可否は**「普通の観察者（ordinary observer）」テスト**によって判断されます。対象製品を購入するような普通の購買者が、被疑製品のデザインを見たときに意匠特許製品と同じものだと誤認するおそれがあるかどうかという基準です。

この全体観察による類似性の判断は、米国連邦最高裁判決 *Gorham Co. v. White*（1871）以来の伝統的テストで、2008年の *Egyptian Goddess* 事件で改めて確立されました。同判決では従来の「ポイント・オブ・ノベルティ」テストを不要とし、先行意匠の存在を考慮に入れつつ全体として見て実質的に同一かを判断する方法が示されています。

**米国の権利範囲の特徴**

\- 図面の**実線部分**のみが権利範囲を構成。破線で描かれた部分は権利として主張しない部分

\- 均等論の適用は原則なく、目視できるデザインそのものが全て

\- 細部の相違よりも**デザイン全体から受ける視覚的印象**が重視される

\- 被疑品が特許でクレームされた物品と異なる用途の製品であっても、意匠の実質同一性があれば侵害とされ得る

### 日本の侵害判断

日本における意匠権侵害の成否は、**登録意匠と被疑意匠が「同一または類似」であるか**によって判断されます（意匠法第23条）。この判断は二段階で行われます。

**第1段階：物品の類否** - 被疑品と登録意匠の物品の用途及び機能が同一または類似であることが前提。物品が全く異なる場合には、どれほど形状が似ていても意匠は類似しないと扱われます。

**第2段階：形態の類否** - 物品が一致・類似すると認められた場合に、両意匠の構成要素や形状の特徴点を対比し、全体として美感に与える印象が共通か否かが判断されます。意匠の要部（デザイン上、特に顧客の注意を引く特色部分）の類否が重視される傾向があります。

**日本独特の要件**：日本では「物品の同一/類似」かつ「形態の同一/類似」の両方を満たすとき意匠権侵害が成立します。物品が異なると侵害にならない点は日本独特の要件であり、米国との大きな違いです。

## 5. 損害賠償（救済措置・賠償額）

### 米国の損害賠償

米国では意匠特許侵害に対し、**差止命令**（侵害行為の禁止命令）や**損害賠償金**の請求が可能です。特筆すべきは**米国特許法第289条**に規定された意匠特許侵害に対する追加的救済です。

**35 USC 289条（総利益の没収）**

「侵害者は、その侵害に係る物品の販売によって得た**総利益（Total Profit）**を権利者に支払わなければならない」と定めています。侵害品による利益全額の没収（エンタイヤメント・ルール）とも呼ばれる強力な救済措置です。

加えて、故意侵害の場合には**懲罰的賠償（最高3倍賠償）**も適用可能です。税関に意匠登録を届け出ることで、輸入段階で模倣品を差し止める制度も活用できます。

**Apple vs. Samsung事件**：Samsung社製スマホがApple社の意匠特許（iPhoneの筐体デザイン等）を侵害すると認定され、陪審評決で約10億5千万ドルもの巨額賠償が算出されました。最終的にSamsung社がApple社に支払った意匠侵害賠償額は約5億ドルに減額され和解しました。米国最高裁は2016年に、第289条の「記事（Article of manufacture）」は必ずしも完成品全体を指すわけではなく、製品の一部に対応するとも解釈できると判示しています。

### 日本の損害賠償

日本では、意匠権侵害に対する民事救済は**差止請求権**および**損害賠償請求権**で、特許権侵害の場合とほぼ同じスキームです。損害賠償額の算定は以下のいずれかを選択的に立証できます。

1\. **権利者の逸失利益**

2\. **侵害者の利益**（ただし権利者の生産能力を超える部分は除く）

3\. **実施料相当額（ライセンスフィー）**

侵害者の総利益の全額がそのまま賠償されるわけではなく、意匠が製品の一部に関わる場合はその寄与度が考慮されます。日本の意匠訴訟で認められる損害賠償額は数百万～数千万円規模が一般的です。また日本では**刑事罰**もあり、悪質な意匠権侵害には**10年以下の懲役または1000万円以下の罰金**（法人は3億円以下の罰金）が科される可能性があります（意匠法69条）。

### 判例動向

米国では前述のApple vs. Samsung事件が意匠権の重要性を一躍高め、以降ハイテク分野でも積極的に意匠特許が活用されています。また最近では**LKQ Corp. v. GM**事件において、意匠特許の非自明性判断基準が議論されました。2024年に連邦巡回控訴裁判所（CAFC）大法廷は、長年用いられてきた**Rosen-Durlingテスト**は最高裁*KSR*判決の趣旨に反する限り無効となり得るとし、今後は実用特許と同様の柔軟な非自明性判断を適用すべきと判示しました。

日本では意匠侵害に関する近年の著名判例として「バッグ意匠事件」等で意匠の要部認定や類否判断手法が示されています。2020年改正で関連意匠による権利延長戦略が可能となったこともあり、侵害訴訟での本意匠・関連意匠の使い分けなど新たな論点も生まれています。全体として、米国は陪審制の下で巨額賠償が生じ得る法制度であり、日本は専門部（知財高裁）を有する安定した審理が特徴ですが、賠償額や抑止力の面で大きな制度差が存在します。

## 6. 国際出願（ハーグ協定）

### ハーグ協定の概要

米国も日本もともに2015年に意匠の国際登録制度である**ハーグ協定**に加盟しました。企業はハーグ国際出願を利用して**一度の出願で複数の国（締約国）の意匠保護を出願**できます。米国（USPTO）や日本（JPO）を指定国に含めて国際出願すると、WIPOの国際事務局で方式審査の後、各指定国官庁に送付されます。

米国・日本ともに審査官による実体審査国であるため、国際出願であっても自国出願と同様に新規性・非自明性などの審査を行い、拒絶理由があれば拒絶通報（refusal）を発します。原則として**国際公開日から12か月以内**に拒絶の有無を通知することになっており、拒絶通報がなければその意匠は登録されます。

### 国際出願のメリットと留意点

**メリット**

\- 一願で多国の意匠権を管理可能

\- 出願手数料が一括で済み、各国ごとの重複書類提出を削減

\- 欧州連合知的財産庁(EUIPO)や韓国・中国など複数国を含めた一括出願に有用

**図面の統一に要注意**：各国で要求される図面の表現形式が異なるため、一つの図面セットで全指定国の基準を満たす必要があります。日本出願時に作成した図面だと米国基準を満たさず、そのままでは米国で拒絶されることもあるため、国際出願前に図面の修正を検討する必要があります。

ハーグ出願では基本的に出願後の図面補正に厳格な制限があるため、日本企業がまず国内で意匠出願し、その図面を用いて米国を指定したハーグ出願を行う場合、**日本出願時から国際的に通用する図面作成**をしておくことが推奨されます。特に米国を指定予定であれば、日本出願の段階で米国式の図面（十分な視図と陰影表現）にしておくことで後の補正不能問題を避けられます。

### 複数意匠と単一性の問題

ハーグ制度自体は1件の国際出願で最大100意匠まで包含できますが、米国や日本のように国内法で一意匠一出願が原則の国では、単一性違反として拒絶される可能性があります。**米・日を含むハーグ出願では一出願一意匠を原則とする**のが実務上の対応策です。

### その他の実務上のポイント

米国を指定したハーグ出願では、国際出願の出願人が米国法上の意匠発明者とみなされ、後日USPTOに宣誓書（oath）を提出する必要があります。パリ条約に基づく優先権主張による直接出願（日本に出願後6ヶ月以内に米国へパリルート出願）も引き続き一般的な手段です。ハーグを使うか直接出願するかは、指定国数や費用、手続負担を考慮して選択することになります。

## 7. 図面要件（図面の品質基準・破線表示等）

### 米国の図面要件

図面は意匠特許出願の中核であり、USPTOは**高品質で詳細な図面**を要求します。

**米国で要求される図面の基本事項**

\- **六面図**（正面・背面・左右側面・上面・下面）に加え、**斜視図**の提出を推奨

\- 通常**線画**（黒色線の描画）で描き、**陰影**を施して立体感や表面の凹凸・曲面を表現

\- 各図は互いに矛盾なく、全ての図で**一貫した形状**を描く必要あり

\- **破線（Broken lines）**で描いた部分は「非請求部分」と解釈され、権利範囲に含まれない

\- 写真やCGは原則不可（例外的に請願書を提出して許可を得る必要あり）

断面図については、外観上の凹凸が陰影で分かる場合には提出しない方が良いとされています。断面図も権利解釈上有効な図面と見なされ、余計な断面を示すと権利範囲を不必要に限定しかねないためです。また、カラー写真は権利範囲がその色に限定されるなどデメリットがあり、線画と写真を混在させることも認められません。

### 日本の図面要件

日本でも意匠出願には原則として**六面図（6方向図）**の提出が求められます。正面・背面・左右側面・上面・下面の図に加え、立体物であれば斜視図を付けるのが一般的です。

**日本の図面の特徴**

\- **陰影は必須ではない**（線画のみで形状が明確に理解できれば問題なし）

\- 対称形状の場合、片側面図を省略するなど柔軟な取扱いが可能

\- 部分意匠では非請求部分を破線で描画。ただし**出願時に決定**し、後から破線変更補正は不可

\- **写真画像による意匠登録**も可能（布地の模様など複雑な意匠で活用）

\- 参考図（使用状態や変形前後を示す図）の提出も可能（権利範囲には含まれない）

### 両国の図面基準の差異

**国際出願時の重要ポイント**：日本で認められる図面がそのまま米国で通用しないケースがあります。日本出願では省略していた裏面図が米国では省略不可で追完を求められたり、陰影付加や拡大図提出を求められることもあります。国際的に権利化を予定する意匠については、**最初から米国基準を念頭に図面作成**することが推奨されます。

具体的には、きちんと6方向図を揃え陰影も付した線画を準備し、日本出願時にもそれを使うことで後日の米国展開が容易になります。図面は意匠権の命であり、米国と日本の双方で問題なく通用する図面作成には専門的なノウハウが不可欠です。

## 米国・日本の意匠制度 比較表

上記の内容を踏まえ、米国意匠特許制度と日本意匠制度の主要な相違点をまとめます。

| 観点 | 米国（意匠特許） | 日本（意匠登録） |
| --- | --- | --- |
| **登録要件** | 新規性（物品分野不問）、非自明性（KSR基準適用へ変更）、装飾性（機能のみの形状は対象外）。フォント・GUI等も保護可。グレースピリオド1年（手続不要）。 | 新規性（物品・形状とも比較）、創作非容易性、美感要件。意匠は物品と不可分（用途・機能が異なる物品には適用されない）。グレースピリオド1年（要手続）。 |
| **出願手続** | クレーム（一項）必須、精密な線画＋陰影推奨、宣誓書・IDS提出義務あり。原則1意匠/出願（複数実施例は条件付許容）。審査8～12ヶ月。出願時約$1,000～$1,500、発行時約$1,000。**年維持料不要**。 | クレーム不要（図面が権利範囲）、宣誓書・IDS不要。1意匠/出願（関連意匠制度あり）。審査6～10ヶ月。出願料16,000円、登録料25,500円（3年分）。**年維持料必要**（最大25年分）。 |
| **保護期間** | **登録日から15年**。中間年金不要。出願～登録まで非公開。 | **出願日から25年**（2020年改正）。毎年年金納付が必要。秘密意匠（最大3年非公開）制度あり。 |
| **侵害要件** | **普通の観察者テスト**（全体的外観の比較）。物品の種類問わず比較可能。実線部分のみ保護。均等論主張は基本なし。 | **同一・類似**概念で判断。物品が同一/類似であることが前提条件。意匠の要部の共通性を重視。関連意匠も別個に権利行使可。 |
| **損害賠償** | 289条により**侵害品の総利益没収**。故意侵害なら3倍賠償。Apple vs Samsung事件で約5億ドルの賠償例。税関差止めも有効。 | 逸失利益・侵害者利益・実施料相当額で算定。意匠の寄与率を考慮。数百万～数千万円が一般的。刑事罰（10年以下懲役等）も適用可。 |
| **国際出願** | 2015年ハーグ加盟。国際出願でも実体審査（12ヶ月以内）。図面が米国基準を満たさない場合は拒絶。宣誓書の別途提出必要。パリルート出願も可（優先期限6ヶ月）。 | 2015年ハーグ加盟。JPOが実体審査（12ヶ月以内）。日本は陰影不要だが米国併願時は付しても可。パリルート出願も一般的（国内出願後6ヶ月以内）。 |
| **図面要件** | 精細な線画＋陰影必須級。六面図＋斜視図で完全開示。図間の一貫性厳格チェック。破線で非請求部分を表現（後から破線化も可能な場合あり）。写真は原則不可。 | 基本線画で可（陰影不要）。対称物は一部省略可。破線は出願時に確定（後から変更不可）。写真・CG図も受付可。日本図面は米国基準に満たない場合あり。 |

以上の比較から、米国の意匠特許制度と日本の意匠制度は基本的な枠組みは似通いながらも、審査基準の運用や権利行使のルールにおいて重要な違いが存在することが分かります。日本企業が米国で意匠権を取得・活用する際は、米国特有の厳格な図面作成基準や侵害時のリスク（高額賠償）を十分に踏まえた戦略が必要です。一方で、日本側も2020年の法改正で保護期間延長や画像デザインの保護拡大など国際調和を図っており、今後も両国制度の動向に注目する必要があります。

## 参考資料

- 特許庁 産構審資料「各国意匠制度比較」(2011) - 出願料・手数料の比較
- JETRO「米国における事業進出マニュアル - 意匠特許の出願」(2022) - 日米の図面基準差異に関する指摘
- JETRO「米国における事業進出マニュアル - 意匠特許の救済」(2022) - 米国の意匠侵害時の総利益賠償規定とApple対Samsung事件の紹介
- エムアンドパートナーズ「米国意匠特許の非自明性基準変更(LKQ v. GM)」(2025) - 米国における意匠非自明性判断の最新判例情報
- WIPOニュース「米国と日本のハーグ協定加盟」(2015) - 両国の加盟に関するアナウンス

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AUTHOR / 執筆者

杉浦 健文 （SUGIURA Takefumi）

知的財産事務所エボリクス（EVORIX）　**代表弁理士**

特許・商標・意匠・著作権の出願から審判・侵害訴訟まで、IT・製造・スタートアップ・ファッション・医療など幅広い業種のクライアントを支援。AI・IoT・Web3・FinTech等の先端分野の知財戦略にも精通。**日本弁理士会／アジア弁理士協会（APAA）／日本商標協会（JTA）**等 複数団体所属。

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