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キャラクターの保護(著作権と商標権)

作成者: 弁理士 杉浦健文|2022/05/17

 昨今ではキャラクターをブランド戦略の主力として使用することが大衆に受け入れられ、ビジネスにおいてキャラクターを使用することが一般的になりました。では、自分達で生み出したキャラクターを真似されないよう気をつけるべきことはあるでしょうか。

[目次]

キャラクターは著作権では保護されない

 意外かもしれませんがキャラクターそのものは著作権では保護されません。これは著作権法において保護されるものがアイデアを具体的に表現したものであると定められているためです。アイデアに過ぎないキャラクターは著作権の保護の対象ではないのです。

 他方でキャラクターなるアイデアを具体的に表現したキャラクターデザイン(イラストなど)は著作権で保護されます。

 例えば、ドラえもんにおいて「未来からやってきた猫型ロボットがいじめられっ子の少年を助ける」といったアイデア自体は著作権では保護されませんが、ドラえもんを具体的に描いたイラスト(漫画のコマ、アニメの映像など)は著作権で保護されます。

著作権の保護と商標登録

 キャラクターデザインは著作権で保護されるのであるから商標登録をする必要はないと考えられるかもしれません。しかし、著作権と商標権は保護の方法や対象が異なります。また、ブランドの保護という観点からもキャラクターデザインについても商標登録をすることをオススメします。

 著作権はイラスト等の作品を完成させたまさにその瞬間から発生します。行政手続きを行う必要はありません。その権利は著作権者の死後70年(著作者が法人である場合は公表後70年)存続します。手続をしなくても権利が発生するため、キャラクターデザインは著作権での保護でいいと考えられるかもしれませんが強ちそうとは言えません。

 他人が作成したキャラクターデザインが自分のキャラクターデザインをコピーしたとして著作権侵害であることを主張するためには、そのキャラクターデザインが自身のオリジナル作品であること、また、他人のキャラクターデザインが自分のキャラクターデザインに基づいて作成されたものであることを立証しなければなりません。他人が作成したキャラクターデザインが自分のキャラクターデザインに似ていたとしても、それがたまたま似ていた、つまり他人が自力で(自分のキャラクターデザインを一切参照せず)作成した場合には権利が及びません。つまり、権利を得るのは容易ですが、権利行使は難しいということです。

 一方、商標権は特許庁に出願手続きをしなければ得ることはできません。手続きにはお金や時間がかかります。しかし、他人のキャラクターデザインが自分の登録したキャラクターデザインに似ていれば、他人が自力で創作したものであるかどうかに限らず権利行使が可能です。似てさえすれば良いのです。つまり、権利を得るのに手間がかかりますが、権利行使は著作権に比べると容易であるということです。また、商標権は10年毎に更新をすることができます。更新をし続ける限り権利は存続し続けますので、半永久的な権利維持が可能となります。そもそもキャラクターデザインを使ったビジネスはキャラクターデザインがブランドとして機能し、顧客吸引力を持っている場合が殆どですから、ブランド保護の観点からも商標登録を取得すべきです(著作権はブランドを保護する権利ではありません)。

キャラクターネーム

 ここまではキャラクターデザインについてお話ししました。では、キャラクターネームついてはどうでしょうか。残念ながら、キャラクターネームは著作権で保護される可能性は低いです。所詮名前であって数文字が限られているためです。しかし、キャラクターネームもキャラクターデザインと同様に、ビジネスにおいて顧客吸引力を持っている場合があります。「虎杖悠二」や「竈門炭治郎」と名のついた商品があれば、それらが「呪術廻戦」や「鬼滅の刃」に関連のあるグッズであると誰もが想像するでしょう。これも単なるキャラクターネームを超えてブランドして用いられる場合がありますから、キャラクターネームも商標登録を取得することをオススメします。

不正競争防止法について

 キャラクターデザインもキャラクターネームも、これら自体が世間的に有名である場合は不正競争防止法という法律で対応可能な場合があります。しかし、この場合も著作権と同様、権利行使が難しい(自らのキャラクターデザインやキャラクターネームが有名であることを立証しなければならないなど)という問題があります。一般に不正競争防止法や著作権法で対応する場合は、商標権を取得していなかった場合にやむを得ずこれらを根拠にするといったケースが殆どですから、初期投資として商標権を取得することを強くオススメします。

キャラクタービジネスと商標権

 今ではキャラクタービジネスとして最も有名な例は「くまモン」でしょう。もちろん「くまモン」の絵も、「くまモン」という文字も両方とも商標登録されています。熊本県では、特設のウェブサイトを設け、くまモンの使用許諾を随時受け付けています。

https://kumamon-official.jp/kiji0031655/index.html

 

商標登録第5540075号

「くまモン」

商標登録第5540074号

商品化権とは?

 ちなみに、キャラクタービジネスを展開する際、よく商品化権という言葉を耳にしますが、法律上このような権利は存在しません。商標権、著作権や不正競争防止法上与えられる権利をまとめた俗称として認識されているに過ぎません。

 商品化権という権利がない以上、キャラクタービジネスについては、個々の法律で対応する必要があります。既に述べた通り、著作権や不正競争防止法では十分に対応できない場合があります。ブランドの保護のため、余計なトラブルに巻き込まれないためキャラクターデザインやキャラクターネームについて商標登録を取得することをオススメします。

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