「商标权って必ず取らないといけないんですか? 权利を取るお金がもったいないし、もし权利者から何か言われたら、その時に販売をストップすればいいのでは...」
このような趣旨の質問をよくいただきます。確かに、警告書が届いてから事業をストップすれば、損害を少なく抑えることは可能かもしれません。
しかし、それでは遅いのです。警告を受けるまでに事業へ投下した資本(広告費、パッケージ制作費、販促費など)はすべて無駄になります。さらに、ブランド保護の観点から見てもまったく建設的ではありません。ブランドを守るために、商标权の取得は必須といえるでしょう。
具体例:ある飲食チェーンが店名を商标注册せずに5年間営業していたところ、同名の別企業が先に商标を取得していたことが判明。結果として、看板の付け替え、メニューの再印刷、ウェブサイトの変更、さらに顧客への周知に多額のコストが発生しました。事前に商标を取得していれば防げた事態です。
そもそもブランドとは何でしょうか? わかりやすい例で考えてみましょう。
Aさん、Bさん、Cさんの三人が、それぞれ10個ずつウイスキーの樽を所有しています。この30個の樽を何の目印もつけずに同じ場所に保管すると、どれが誰のものか判別がつきません。
そこで樽に「A」「B」「C」と目印をつけると、一目瞭然で識別できるようになります。はじめは単なる識別のための目印でしたが、やがてそれは「Aのウイスキーはまろやかでコクがある」「Bはスモーキー」「Cは風味が強い」といった個性を示すものへと変わっていきます。
この「個性」こそがブランドです。ブランドとは、モノやサービスに対する生産者の「こだわり」、商品に一貫した姿勢を示す「個性」、そしてお客さんへの「約束」(信用)を示すものです。
もしブランド名がコロコロ変わるとどうなるでしょうか。「A」がいきなり「α」に変わってしまうと、まろやかなウイスキーを求めていたお客さんは、同じものかどうかわからず困ってしまいます。ブランド名の変更は、事業者だけでなく、お客さん(消费者)や市場(交易者)にとっても好ましくありません。
個性や信用は目に見えません。これらが可視化されたものが「商标」です。商売上、自分が築き上げてきたブランドであることを示す「目印(標識)」=「商标」を保護することで、個性と信用=ブランドの保護を図ることができます。
※「ブランド」の語源:自分の家畜と他人の家畜を区別するために焼き印を押していたことに由来します。焼き印を押す意味の「brandr(ブランドル)」が転じて「brand(ブランド)」と呼ばれるようになりました。
ブランド保護のために商标权を取得するメリットは、大きく分けて2つあります。
| メリット1:自由な使用の確保 | メリット2:他人の無断使用の阻止 |
|---|---|
| 自らが自由にその商标を使い続けるために权利を確保する | 他人が勝手に同じ商标を使うことを法的に阻止できる |
| 先に他人に取得されると自分が使えなくなるリスクを防ぐ | 粗悪な模倣品によるブランド毀損を防ぐ |
商标权は「早い者勝ち」です。日本の商标法では、专利局に先に申请した者に权利が与えられます(先願主義)。使用の実績があっても、先に他人に商标注册されてしまうと、自由に使用できなくなります。
他人に先に权利を取られてしまった場合、同じ商标を使い続ければ侵权となり、損害賠償を請求される事態にもなりかねません。名称の変更を余儀なくされ、それまでに築いた認知度やブランド価値を失ってしまいます。
具体例:ECサイトで人気の商品名を商标注册していなかったところ、競合他社が先に同じ名称を商标注册。その結果、商品名の変更を迫られ、検索順位やリピーターを失ってしまったケースがあります。
もし、同じ商标を付した他人の商品の品質が劣悪だった場合、本物の商品である自社の商品まで品質が良くないとお客さんに誤解されてしまいます。長年かけて築いた信用が損なわれ、ブランドが崩壊しかねません。
ブランドは信用の積み重ね。同じ商标を使い続けることで信用が蓄積されます。商标权を取得しておくことで、模倣品や近似品に対して法的な措置を取ることができ、長年築き上げたブランド価値を守ることができます。
商标は「目印」であると説明しました。SONYやPanasonicといった会社名も、名称を聞いただけで商品の特徴や個性が頭に浮かぶように、商号(会社名)もまた商标といえます。
会社名こそ商标注册を。個々の商品名よりも表に出る頻度が高い会社名は、商标权取得の必要性が特に高いといえます。会社の「顔」となる商号は、ブランド保護の最優先対象です。
※商标权とは:自社の商品・サービスであることを示す「目印(シンボルマーク)」に化体した「信用」を保護する权利です。
商标权を取得する意味は、以下の2点に集約されます。
ブランドは企業の大切な資産です。事業を始める段階で、あるいは新しい商品やサービスを展開するタイミングで、ぜひ商标注册を検討してみてはいかがでしょうか。早期の申请が、将来のリスクを大きく減らします。
商标注册・ブランド保護についてのご相談
商标注册やブランド保護に関するお問い合わせは、当事務所の专利代理师までお気軽にご連絡ください。