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オーストラリアの商標制度概要

こんにちは。弁理士の杉浦健文です。本記事では、オーストラリアの商標制度について、所管官庁・法体系・出願手続き・特徴的な留意点まで、日本企業のオーストラリア進出時に必要となる実務知識を整理して解説します。

本記事のポイント:🇦🇺 オーストラリアは先使用主義と先願主義の併用を採用しており、マドリッド議定書経由の効率的な出願が可能。オーストラリア進出を検討中の企業様は、出願戦略を早めに立てることが重要です。

1. 制度の基本情報

オーストラリアの商標制度は、以下のような特徴を持っています。

項目 オーストラリアの制度
所管官庁 IP Australia
根拠法 コモンロー+成文法(Trade Marks Act 1995)
商品・役務分類 ニース分類(マルチクラス出願可)
採用主義 先使用主義と先願主義の併用
マドリッド議定書 マドリッド議定書加盟済(2001年)
標準審査期間 約3〜4ヶ月
異議申立期間 公告から2ヶ月(延長可)
保護期間・更新 10年(更新可能)
公的料金(参考) 出願料 1区分 AUD 250〜

2. 出願・審査・登録の流れ

オーストラリアでの商標登録までの一般的な流れは以下の通りです。

1

事前調査

先行類似商標の有無をIP Australiaデータベース等で調査

2

出願

日本特許庁経由のマドプロ出願、または現地直接出願

3

方式・実体審査

約3〜4ヶ月程度をかけて絶対的・相対的拒絶理由を審査

4

公告・異議申立

公告2ヶ月(延長可)内に第三者が異議申立可能

5

登録

登録料納付により商標権が発生(保護期間:10年)

3. オーストラリア商標制度の特徴・重要ポイント

オーストラリア制度の主な特徴

  • 先使用主義の併用:出願していなくても継続使用された商標は一定の保護を受ける
  • マルチクラス出願:1出願で複数区分を指定可能(コスト効率が高い)
  • 絶対的拒絶理由+相対的拒絶理由の両方を審査(米国型)
  • 異議申立期間が2ヶ月と短いため監視が重要
  • 非使用取消し:登録から3年以上不使用で取消対象

4. 実務上の注意点

オーストラリア進出時の留意事項

  • オーストラリアは英連邦の慣習法(コモンロー)の影響が強く、未登録商標でも判例上保護される場合がある
  • Trans-Tasman Cooperation によりニュージーランドとの調和が進んでいるが、別個の出願が必要
  • 地理的表示(ワインなど)は特別な保護スキームあり
  • オーストラリア消費者法(ACL)による商標表示・誤認招来規制も併存

5. まとめ

オーストラリアは先使用主義と先願主義の併用を採用し、IP Australiaが商標出願・審査を所管しています。マドリッド議定書経由の出願により、日本からの効率的な権利取得が可能です。

オーストラリア市場へのブランド進出を検討されている企業様は、出願戦略の早期構築が重要です。EVORIXではオーストラリアを含む各国商標出願をワンストップでサポートしています。

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杉浦健文 弁理士

AUTHOR / 執筆者

杉浦 健文

知的財産事務所エボリクス(EVORIX) 代表弁理士

特許・商標・意匠・著作権の出願から審判・侵害訴訟まで、各国の知財実務に精通。日本弁理士会/アジア弁理士協会(APAA)/日本商標協会(JTA)等所属。