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チェコ商標制度の実務ガイド|商標法441/2003・ÚPVは先行商標を審査せず悪意の出願は拒絶・公告後3か月の異議(延長・補充不可)・登録まで平均6.3か月・出願日から10年・不使用5年・プラハ市裁判所・EUTMとの使い分けを弁理士が徹底解説

チェコ商標制度の実務ガイド|商標法441/2003・ÚPVは先行商標を審査せず悪意の出願は拒絶・公告後3か月の異議(延長・補充不可)・登録まで平均6.3か月・出願日から10年・不使用5年・プラハ市裁判所・EUTMとの使い分けを弁理士が徹底解説

チェコは人口約1,091万人、GDP約3,910億米ドル(2025年)、1人当たりGDP約3万5,900米ドルの中欧の工業国で、シュコダ、ピルスナー・ウルケル、バドワイザー・ブドヴァル、バタ、ペトロフ、モーゼルなど歴史あるブランドを数多く持っています。日本との関係では、2025年の日本からの輸出は約3,522億円(電気機器、一般機械、精密・光学機器)、輸入は約2,301億円で、約270社の日本企業が進出し、自動車部品・電機・精密機器の製造拠点として日本企業の集積が厚い国です。日本からの直接投資は累計50億米ドルを超え、現地の製品名や社名を守るためのチェコでの商標保護の相談も増えています。

チェコの商標制度は、2003年の商標法(法律第441/2003号)に基づき産業財産庁(Úřad průmyslového vlastnictví、ÚPV)が登録します。ÚPVは絶対的理由のみを審査し、先行商標を理由に職権で拒絶することはなく、先行権利者が公告から3か月(延長・回復不可)の異議で争う仕組みです。出願から公告まで平均2.1か月、登録まで平均6.3か月と速く、出願料は3区分まで5,000コルナ(約3.8万円)と安価です。存続期間は出願日から10年、不使用取消は5年で、異議・無効・取消はすべてÚPVが判断し、不服は庁内の不服申立て(rozklad)を経てプラハ市裁判所・最高行政裁判所で争います。侵害訴訟はプラハ市裁判所が第一審を担い、刑事罰は大規模な場合に3年以上8年以下、税関と商業監督庁が模倣品の取締りを行っています。本記事では、商標法の条文(ÚPV公表の英訳)、ÚPVの手数料表と2025年年次報告、財務省・商業監督庁の公表数値、外務省のデータを一次資料として、出願から異議・取消・権利行使・EUTMとの使い分けまでを弁理士が実務目線で整理します。

この記事のポイント

  • 根拠法は商標法(法律第441/2003号、2022年2月改正まで反映)、管轄は産業財産庁(ÚPV、プラハ)。ÚPVは絶対的理由のみ審査し、先行商標を理由に職権で拒絶しない。先行権利者は公告から3か月(延長・回復不可)の異議で守る。悪意の出願は絶対的理由として拒絶
  • 庁費用は出願5,000コルナ(3区分まで・約3.8万円)、4区分目以降500コルナ/区分。出願から公告まで平均2.1か月、登録まで平均6.3か月(2025年)。チェコに住所のない出願人はチェコの弁理士・弁護士の代理が必要
  • 存続期間は出願日から10年、更新2,500コルナ(満了後6か月以内は5,000コルナ)。不使用取消は5年。異議1,000コルナ、取消・無効2,000コルナ、庁内不服申立て(rozklad)1,000コルナ→プラハ市裁判所→最高行政裁判所
  • 侵害訴訟はプラハ市裁判所が第一審(EU商標裁判所を兼ねる)。刑事は2年以下、著しい利益・規模なら6か月以上5年以下、大規模なら3年以上8年以下。税関は2025年に知的財産権の検査2,577件、2024年の押収額5億2,300万コルナ。商業監督庁は2025年に21,856点・8,256万コルナの模倣品を押収
  • 2025年の商標出願は8,774件(前年比12%増)、異議359件。マドプロでチェコを指定する手数料は個別手数料ではなく補足手数料CHF 100。EUTM(850ユーロ)との使い分けが設計のポイント

目次

  1. チェコ商標制度の全体像:商標法441/2003とÚPV
  2. 国内出願は年8,800件:市場環境と統計
  3. 保護対象と拒絶理由:絶対的理由のみ審査・悪意の出願も拒絶
  4. 出願手続の流れと審査期間:公告まで2.1か月・登録まで6.3か月
  5. 費用一覧(ÚPV公式手数料・EUTM・マドプロ)
  6. 異議申立:公告後3か月・1,000コルナ・使用証明の要求
  7. 不使用取消(5年)と無効:ÚPVの手続と行政裁判所
  8. 使用義務と更新:出願日起算の10年
  9. 権利行使:プラハ市裁判所・刑事罰・税関と商業監督庁
  10. 最近の動向:2025〜2026年の判例と統計
  11. チェコ国内商標・EUTM・マドプロの使い分け
  12. 日本の商標制度との比較
  13. 日本企業がチェコ出願で押さえるべき実務ポイント
  14. よくある質問(FAQ)
  15. 出典・参考文献

チェコ商標制度の全体像:商標法441/2003とÚPV

チェコの商標の根拠法は2003年12月3日の商標法(法律第441/2003号)です。EU加盟直前の2004年4月1日に施行され、EU商標指令(2015/2436)を国内化した2019年1月の改正(法律第286/2018号)で図形的表現の要件の撤廃、絶対的理由としての悪意の出願、異議における使用証明などが導入され、現在は2022年2月1日施行の改正(法律第261/2021号)までを反映した統合テキストが施行されています。同法は裁判所法も改正し、プラハ市裁判所をEU商標裁判所に指定しています。

登録の管轄は産業財産庁(Úřad průmyslového vlastnictví、ÚPV)で、プラハ6区に置かれた中央行政機関です。ÚPVは出願を絶対的理由について審査し(第22条)、問題がなければ公報(Věstník)に公告します(第23条)。先行権利者は公告から3か月以内に異議を申し立てることができ(第25条)、異議がなければ登録されます(第28条)。存続期間は出願日から10年で、更新は10年ごとです(第29条)。異議・無効・取消はいずれもÚPVが判断し、その決定に対する不服は1か月以内の庁内不服申立て(rozklad、第42条)を経て、プラハ市裁判所への行政訴訟、さらに最高行政裁判所への上告(kasační stížnost)で争います。侵害訴訟はプラハ市裁判所が第一審を担います。

項目 内容
根拠法商標法(法律第441/2003号、2022年2月1日施行の改正まで反映)
管轄官庁産業財産庁(ÚPV、プラハ)
権利の発生登録による(第8条)。登録証または登録簿の抄本で権利を証明
審査の範囲方式と絶対的理由(第4・22条)。先行商標は職権では審査しない(第7条は異議の根拠)
異議申立公告から3か月、先行権利者のみ(第25条)、1,000コルナ。期間の延長・回復は不可
存続期間出願日から10年、10年ごとに更新(第29条)
不使用取消登録後5年の継続不使用(第13・31条)。ÚPVへの請求(2,000コルナ)
不服申立て庁内不服申立て(rozklad、1か月、第42条)→プラハ市裁判所→最高行政裁判所
侵害訴訟プラハ市裁判所が第一審(EU商標裁判所を兼ねる)。控訴はプラハ高等裁判所
国際条約パリ条約、マドリッド協定・議定書、ニース協定、TRIPS、EU商標規則

国内出願は年8,800件:市場環境と統計

ÚPVの2025年年次報告によると、2025年の商標出願は8,774件で、2024年の7,822件から12%増えました。内訳は、国内出願が7,714件(チェコの出願人7,261件、外国の出願人453件)、マドプロによるチェコ指定が1,060件です。2025年に登録された国内商標は6,224件(チェコの出願人5,863件、外国の出願人361件)、国際登録の保護認容が1,048件で、拒絶などの否定的決定は647件でした。異議は国内出願に対して338件、国際登録に対して21件の合計359件が申し立てられ、ÚPVは365件の異議を処理しています。第三者による情報提供(絶対的理由に基づく意見書)は54件でした。

2025年末時点でチェコで有効な商標は、国内商標127,095件、チェコを指定した国際商標61,238件、EUを指定した国際商標317,812件、EU商標1,766,373件の合計約227万件に上ります。チェコ国内に効力を持つ商標の9割以上がEUTMかEU指定の国際商標であり、日本企業が先行商標を調べる際は、ÚPVの登録簿だけでなくEUIPOとWIPOの登録簿を合わせて確認することが不可欠です。WIPOの統計プロファイル(2024年)では、チェコ出願人の商標出願は区分数ベースで34,265件(前年比15.1%増、世界42位)、チェコで有効な商標は126,061件(世界51位)です。

指標 2024年 2025年
商標出願(合計)7,822件8,774件(+12%)
うち国内出願・チェコ出願人6,362件7,261件
うち国内出願・外国出願人413件453件
うちマドプロによるチェコ指定1,047件1,060件
国内商標の登録5,989件6,224件
異議(国内+国際)418件359件
出願から公告/登録までの平均期間2.0か月/6.6か月2.1か月/6.3か月

外国出願人による国内出願は年450件前後にとどまり、外国企業の多くはEUTMでチェコをカバーしています。一方でチェコ企業の国内出願は年7,000件を超えており、1出願あたりの平均区分数は4.12と広めです。チェコ語はスロバキア語と相互理解が可能で、ドイツ語・ポーランド語圏とも接するため、商品名がこれらの言語で記述的な意味や否定的な意味を持たないかを、ネーミング段階で確認しておくことが重要です。

保護対象と拒絶理由:絶対的理由のみ審査・悪意の出願も拒絶

商標法第1a条は、商標となりうる標識として、文字(人名を含む)、色彩、図形、文字・数字、商品や包装の形状、音を例示し、ある企業の商品・役務を他の企業のものから識別でき、保護対象を明確かつ正確に特定できる方法で登録簿に表示できることを要件としています。2019年の改正で図形的表現の要件は撤廃され、音・動き・マルチメディア・ホログラムの商標も電子ファイルで出願できます。団体商標と証明商標も登録できます。

登録が拒絶される絶対的理由は第4条に列挙されています。商標となりえない標識、識別力を欠く標識、商品の種類・品質・数量・用途・価値・産地・製造時期などを示す標識のみからなる標識、日常語や取引慣行で慣用される標識、商品の性質・技術的効果・実質的価値に由来する形状その他の特徴、公序良俗に反する標識、誤認を生じる標識、国章・国際機関の紋章、保護された原産地名称・地理的表示・伝統的名称・植物品種名と抵触する標識、そして悪意でされた出願です。ÚPVは出願を受け取ると、これらの絶対的理由について職権で審査し(第22条)、一部の商品・役務についてのみ問題がある場合はその部分だけを拒絶します。

先行する同一・類似の商標、著名商標、商号・氏名・著作権などの先行権利との抵触(相対的理由)は第7条に定められていますが、これは先行権利者が異議を申し立てた場合にのみ適用されます。ÚPVは出願前の先行商標調査を推奨しており、自庁のデータベースのほか、EUIPOのTMviewやeSearch plus、WIPOのMadrid Monitorでの調査を案内しています。何人も、異議期間の満了までに絶対的理由に基づく情報提供(第24条)をÚPVに提出でき、ÚPVは審査でこれを考慮します。

「悪意の出願」が絶対的理由として明文化されています。他人の商標を知りながら先取りする出願などは、異議を待たずにÚPVが職権で拒絶でき、登録後も無効の理由になります(第32条1項)。現地の代理店や元従業員による冒認出願に対抗する有力な根拠になる一方、自社の出願でも、現地で先に使われている標識を安易に出願すると悪意を疑われるリスクがあります。出願前に市場での使用状況を確認し、記録を残しておくことが重要です。

商標権者には、登録された商品・役務について商標を独占的に使用する権利が認められ(第8条)、同一・類似の標識を同一・類似の商品に使用して混同のおそれを生じさせる行為や、著名商標の識別力・名声を不当に利用し、または害する行為を禁止できます。登録商標には「®」を付して表示することができ、権利は登録簿の抄本または登録証で証明します。

出願手続の流れと審査期間:公告まで2.1か月・登録まで6.3か月

出願はÚPVの電子ポータルから電子的に行うか、書面で行います。出願書類には、商標の表示、出願人の特定、商品・役務の一覧(ニース分類)を記載し、1件の出願には1つの標識しか含められません。出願料は出願の受理から1か月以内に納付しなければならず、納付がなければ出願はされなかったものとみなされます。ÚPVは納付の催告を送らないため、期限管理に注意が必要です。チェコに住所も営業所もない出願人は、ÚPVの手続においてチェコの弁理士または弁護士を代理人に選任する必要があり、日本企業は現地代理人を通じて手続を行います。

段階 内容 期間の目安
出願電子ポータルまたは書面でÚPVへ。出願料は受理から1か月以内に納付即時
方式・絶対的理由の審査識別力・記述性・悪意などを審査(第22条)。問題があれば意見提出の機会出願から公告まで平均2.1か月
公告絶対的理由がなければ公報(Věstník)に出願を公告(第23条)審査終了後
異議・情報提供期間先行権利者が3か月以内に異議(1,000コルナ)。何人も絶対的理由に基づく情報提供が可能公告から3か月
登録・登録証異議がなければ登録簿に登録し、登録証を発行(第28条)。登録料は不要出願から登録まで平均6.3か月

ÚPVの2025年年次報告によれば、出願から公告までの平均期間は2.1か月(2024年は2.0か月)、出願から登録までの平均期間は6.3か月(2024年は6.6か月)で、EU域内でも速い部類です。チェコには正式なファストトラック制度はありませんが、電子出願と標準的な商品・役務表示を使い、拒絶理由を避けた出願であれば、公告後の異議期間3か月を含めて半年程度で登録されます。出願日から優先権が生じ、後から同一・類似の商標を出願した者に優先します。

審査で拒絶された場合、出願人は決定の送達から1か月以内にÚPVに不服申立て(rozklad、1,000コルナ)を行い、庁長官が判断します(第42条)。この期間は延長も回復も認められません。長官の決定に対してはプラハ市裁判所に行政訴訟を提起し、さらに最高行政裁判所に上告できます。期限を徒過した場合の救済として、障害の消滅から2か月以内の回復請求もあります(第43条)。

費用一覧(ÚPV公式手数料・EUTM・マドプロ)

ÚPVの手数料は行政手数料法(法律第634/2004号)の手数料表(第138〜140項)に定められています。出願料は3区分までを含む基本料金で、登録時の登録料はありません。円換算は外務省の2026年9月のレート(1コルナ=約7.50円)で計算しています。

手続 ÚPV手数料 円換算の目安
出願(3区分まで)5,000コルナ約3.8万円
4区分目以降(1区分につき)500コルナ約3,800円
団体商標・証明商標の出願(3区分まで)10,000コルナ約7.5万円
出願・登録の分割(1件につき)5,000コルナ約3.8万円
異議申立1,000コルナ約7,500円
更新(10年)2,500コルナ(満了後6か月以内は5,000コルナ)約1.9万円(約3.8万円)
取消・無効の請求2,000コルナ約1.5万円
庁内不服申立て(rozklad)1,000コルナ約7,500円
EUTMからの変換(3区分まで)5,000コルナ(+500コルナ/区分)約3.8万円
ÚPV経由の国際出願(マドプロ)2,500コルナ(WIPO手数料は別)約1.9万円

3区分までなら出願料5,000コルナ(約3.8万円)だけで10年間の保護が得られ、登録料がない点を含めてEU内でも安価な部類です。比較のために、EU商標(EUTM)の出願料は1区分850ユーロ(約14.9万円)、2区分目50ユーロ、3区分目以降150ユーロ、異議申立料は320ユーロです。マドプロでチェコを指定する場合、チェコは個別手数料を宣言していないため、基本手数料(CHF 653、色彩付きはCHF 903)に加えて国ごとの補足手数料CHF 100と、3区分を超える区分ごとの追加手数料CHF 100を納付します。

これらに加えて現地代理人の費用がかかります。チェコの弁理士・弁護士による出願代理は数百ユーロから1,000ユーロ程度が相場で、異議や取消の手続は事案の複雑さによって大きく変わります。日本の弁理士を通じて出願する場合は、現地代理人費用に日本側の手数料が加わりますが、調査・指示・期限管理を一元化できる利点があります。

異議申立:公告後3か月・1,000コルナ・使用証明の要求

異議は、出願が公報に公告された日から3か月以内にÚPVに申し立てます(第25条1項)。この期間は延長も回復も認められないため、公告の監視体制が不可欠です。申し立てられるのは第7条に定める先行権利者、すなわち先行商標(国内・国際・EU商標)の権利者、著名商標の権利者、商号・氏名・肖像・著作権などの先行権利の保有者、保護された原産地名称・地理的表示の権利者などに限られます。異議書には理由を記載し、審理を可能にする証拠を添付しなければならず、期間経過後の異議の補充や証拠の追加は考慮されません(第25条2項)。手数料は1,000コルナで、書面で提出する場合は証拠を含めて2通を提出します。

ÚPVは、期間内に適格な者から理由と証拠を付して申し立てられていない異議を却下し(第26条1項)、それ以外の異議は出願人に送付して意見提出の期限を定めます。出願人が期限内に意見を出さなければ、ÚPVは一件記録に基づいて判断します(第26条2項)。先行商標が出願日(優先日)の5年以上前に登録されている場合、出願人は先行商標の使用の証明を要求でき(第26a条)、証明がなく正当な理由もなければ異議は却下されます。出願人と異議申立人が共同で求めれば、ÚPVは2か月以上の和解期間を設定します(第26b条)。異議が理由ありと認められれば出願は拒絶され、一部の商品・役務についてのみ理由がある場合はその部分だけが拒絶されます(第26条4項)。

異議決定に不服がある当事者は、送達から1か月以内にÚPVに不服申立て(rozklad、1,000コルナ)を行い、庁長官の決定に対してはプラハ市裁判所、さらに最高行政裁判所で争います。2025年の異議は国内出願に対して338件、国際登録に対して21件で、国内出願約7,700件に対して4〜5%程度です。

異議は「3か月・補充不可」の一発勝負です。チェコでは異議期間が延長・回復されないだけでなく、期間経過後に理由や証拠を追加することもできません。先行商標の登録証、使用証拠、著名性の資料、翻訳をすべて3か月以内に揃える必要があるため、EUIPOとÚPVの両方で商標監視(ウォッチング)を設定し、公告を把握したら直ちに現地代理人と証拠収集を始める体制が必要です。

不使用取消(5年)と無効:ÚPVの手続と行政裁判所

登録商標は、第三者の請求により、請求前の継続する5年間、登録された商品・役務について真正に使用されず、正当な理由もない場合に取り消されます(第31条1項a号)。請求前3か月以内に開始・再開された使用は、商標権者が請求の可能性を知った後に準備されたものであれば考慮されません。普通名称化した場合や、使用によって誤認を生じるようになった場合も取消事由です。取消の請求はÚPVに対して行い、手数料は2,000コルナです。

無効は第32条に基づき、絶対的理由(第4条)に反して登録された場合、または出願が悪意でされた場合に、第三者の請求により宣言されます(第32条1項)。識別力を欠いていた商標が、登録後の使用によって識別力を獲得していれば無効にはなりません(第32条2項)。先行権利者は、第7条の先行権利に基づく無効も請求でき(第32条3項)、この場合は請求時に先行商標の使用証明が求められることがあります。先行権利者が5年にわたり後行商標の使用を知りながら黙認していた場合は、無効を請求できなくなります。無効・取消の決定に対する不服も、不服申立て(rozklad)を経て行政裁判所で争います。

手続 申立先・期限 手数料 不服申立て
異議ÚPV。公告から3か月(延長・回復・補充不可)1,000コルナrozklad(1か月、1,000コルナ)→プラハ市裁判所→最高行政裁判所
不使用取消ÚPV。請求前5年の不使用2,000コルナ同上
先行権利に基づく無効ÚPV。5年の黙認で失権2,000コルナ同上
絶対的理由・悪意による無効ÚPV。期限なし2,000コルナ同上

ÚPVの2025年年次報告によると、2025年には225件の不服申立て(rozklad)が提起され、長官の決定に対して21件の行政訴訟がプラハ市裁判所に提起されました。同裁判所は33件を判断し、24件で訴えを棄却、3件で長官の決定を取り消し、6件で手続を終了しています。最高行政裁判所は26件の上告を判断し、18件を棄却、2件でプラハ市裁判所の判決を取り消しました。ÚPVの決定が裁判所で覆る割合は1割程度で、庁段階での主張立証が結果を左右します。

使用義務と更新:出願日起算の10年

商標の存続期間は出願日から10年で(第29条1項)、商標権者の請求により10年ずつ更新できます。ÚPVは満了の6か月前までに権利者に通知しますが、通知が届かなくても満了の効果は変わりません。更新料は2,500コルナで、満了後6か月以内の猶予期間に請求する場合は5,000コルナになります。団体商標・証明商標の更新は5,000コルナ(猶予期間内は10,000コルナ)です。更新の際に区分を減らすことはできますが、増やすことはできません。

使用義務は登録から5年で(第13条)、使用はチェコ国内での真正な使用でなければなりません。5年以内に使用を開始しないか、5年間継続して使用を中断すると、異議での使用証明要求、不使用取消、無効手続での使用証明要求などの効果が生じます。EU商標の場合はEU域内のどこかでの真正な使用で足りるため、チェコで使用していない国内商標は取り消されるが、EUTMはドイツでの使用で維持できるという関係になります。使用証拠としては、チェコ語の価格表・カタログ、チェコの顧客への請求書、ウェブサイトのアーカイブ、展示会の出展記録などを年単位で保管しておくと、異議・取消・侵害訴訟のいずれでも対応できます。

権利行使:プラハ市裁判所・刑事罰・税関と商業監督庁

商標権侵害に対する民事の救済は、商標法と産業財産権の行使に関する法律(法律第221/2006号)に定められています。侵害の差止、侵害品や製造設備の回収・廃棄、損害賠償、不当利得の返還、非財産的損害に対する相当な満足(金銭を含む)、侵害品の出所・流通経路に関する情報提供を請求でき、判決の公表も求められます。産業財産権に関する民事事件は、プラハ市裁判所が全国の第一審として専属的に扱い、控訴審はプラハ高等裁判所です。商標法が裁判所法を改正し、プラハ市裁判所をEU商標裁判所に指定しているため、EUTMに基づく訴訟も同じ裁判所で審理されます。仮処分(předběžné opatření)は、侵害の発見から数週間で差止命令を得る手段として広く使われています。

手段 内容 根拠
民事訴訟差止・回収廃棄・損害賠償・不当利得返還・相当な満足・情報提供・判決公表。プラハ市裁判所の専属管轄商標法第8条、法律第221/2006号
仮処分緊急時に差止を命令。担保の提供を命じられることがある民事訴訟法
刑事罰無断で商標を付した商品の流通等は2年以下の拘禁刑・活動禁止・没収。著しい利益・規模なら6か月以上5年以下、大規模なら3年以上8年以下刑法第268条
税関の水際措置EU規則608/2013に基づく権利者の申立て(AFA)と職権差止。税関は国内市場の検査も実施EU規則608/2013
商業監督庁(ČOI)消費者保護法第8条に基づき、模倣品の販売・保管を禁止し、押収と罰金消費者保護法第8条

刑事罰は刑法(法律第40/2009号)第268条に定められています。他人が独占権を持つ商標またはこれと混同を生じる標識を無断で付した商品を流通させ、またはそのような役務を提供した者、そのために商品を申し出・仲介・製造・輸入・輸出・保管した者は、2年以下の拘禁刑、活動禁止または物の没収に処されます。著しい利益を得た場合や著しい規模で行った場合は6か月以上5年以下、大規模な利益・規模の場合は3年以上8年以下の拘禁刑に加重されます。

水際と市場の取締りは、財務省傘下の税関(Celní správa)と産業貿易省傘下のチェコ商業監督庁(ČOI)が担います。財務省の2025年活動報告によれば、税関は2025年に知的財産権の行使に関する検査を2,577件実施し、1,025件(39.8%)で違反を確認しました。税関総局の報道官によれば、刑事手続・税関手続・国内市場の検査で2024年に差し止めた商品の価値は5億2,300万コルナに上ります。ČOIは2025年に676件の検査を行い、324件(47.9%)で模倣品の販売・保管を確認し、21,856点・8,256万コルナ(正規品価格換算)の模倣品を押収して、模倣品関連で253件・666万8,000コルナの罰金を科しました。繊維製品ではナイキ、ゲス、ルイ・ヴィトン、マイケル・コース、トミー・ヒルフィガー、シャネルの模倣が目立っています。

日本企業が模倣品に対処する場合は、EUIPOのIP Enforcement Portal(IPEP)を通じてEU全域をカバーする税関措置の申立て(AFA)を行い、チェコ税関に権利情報を登録しておくのが基本です。プラハのSAPA市場など、模倣品の流通拠点として知られる場所では、税関とČOIが権利者の協力を得て定期的な検査を行っています。

最近の動向:2025〜2026年の判例と統計

出願が12%増、登録までの期間は6.3か月に短縮(2025年年次報告)

ÚPVが2026年に公表した2025年年次報告によれば、商標出願は8,774件と前年比12%増加した一方、出願から登録までの平均期間は6.6か月から6.3か月に短縮されました。争訟面では、異議手続で出願人が先行商標の使用証明を要求する事件が急増し、不使用取消の請求は76件、無効の請求は99件で、無効請求の大半は先行商標との混同のおそれと出願人の悪意を理由とするものでした。第三者からの情報提供54件は、識別力の欠如、誤認、公序良俗違反を指摘するものが中心です。日本企業にとっては、先行商標の使用証拠を常に整えておくことと、悪意の出願という武器を冒認対策に使えることが、この統計から読み取れる実務上の示唆です。

最高裁:商標権と競争制限の関係(2025年4月、23 Cdo 1504/2024)

チェコ最高裁は2025年4月30日、商標権の行使と競争制限の関係を扱った判決(23 Cdo 1504/2024)を言い渡し、この判決はEU司法裁判所が運営する加盟国裁判所のEU法判例データベースに収録されました。商標権の排他性が競争法上どこまで許容されるかという論点は、代理店契約の終了後に元代理店が商標やドメインを使い続けるケースなど、日本企業がチェコで直面しやすい紛争にも関わります。

模倣品市場は年280億コルナ:税関・商業監督庁の取締り

国際ブランドを代理する法律事務所の2025年11月の分析によれば、チェコでは年間約280億コルナの模倣品が販売され、国は約137億コルナの税収を失っていると推計されています。税関総局の報道官は、2024年に刑事手続・税関手続・国内市場の検査で差し止めた商品の価値が5億2,300万コルナに上ったと述べ、プラハのSAPA市場では2022〜2025年の検査で97%の事案で模倣品が見つかりました。商業監督庁は2025年に21,856点・8,256万コルナの模倣品を押収し、税関は2,577件の知的財産権検査を実施しています。EU東部の物流拠点であるチェコでの水際・市場対策は、EU全体の模倣品対策の一翼を担っています。

行政裁判所によるÚPV決定の審査

2025年には、ÚPV長官の決定に対して21件の行政訴訟がプラハ市裁判所に提起され、同裁判所は33件を判断して24件を棄却、3件で決定を取り消しました。最高行政裁判所は26件の上告を判断し、18件を棄却、2件でプラハ市裁判所の判決を取り消しています。ÚPVの判断が裁判所で覆る割合は1割程度にとどまり、異議・無効の勝敗は庁段階でほぼ決まるといえます。

チェコ国内商標・EUTM・マドプロの使い分け

チェコで商標を守る手段は3つあります。チェコはマドリッド協定とマドプロの加盟国で、国際登録で直接指定できます。また、EU加盟国としてEU商標(EUTM)の効力が及びます。

項目 国内商標(ÚPV直接出願) マドプロでチェコ指定 EU商標(EUTM)
効力の範囲チェコチェコEU27か国
庁費用5,000コルナ(3区分まで、約3.8万円)。登録料なし基本手数料CHF 653+補足手数料CHF 100(+3区分超はCHF 100/区分)850ユーロ(1区分、約14.9万円)
審査絶対的理由のみ(悪意の出願を含む)。登録まで平均6.3か月ÚPVが絶対的理由を審査。拒絶通報の期限は18か月絶対的理由のみ。先行商標は調査報告で通知
異議公告から3か月(延長・回復・補充不可)、1,000コルナ公告から3か月、1,000コルナ公告から3か月、320ユーロ
使用義務チェコ国内で登録から5年以内に使用同左EU域内のいずれかで5年以内に使用
存続期間出願日から10年、更新2,500コルナ国際登録日から10年(WIPOで更新)出願日から10年、更新850ユーロ〜
弱点チェコ限定。現地代理人が必要基礎出願への従属(5年)。1か国だけなら割高1か国の先行商標で全体が拒絶・無効になりうる

実務上の使い分けは次のとおりです。欧州全体で展開するならEUTMを軸にし、EU非加盟の英国・スイス・ウクライナなどはマドプロで指定します。チェコに製造拠点があり現地の製品名・社名を確実に押さえたい場合や、EUTMが他国の先行商標のために拒絶・無効のリスクを抱えている場合は、約3.8万円で3区分・10年の保護が得られ、半年で登録される国内出願が有力な選択肢です。チェコとスロバキアは言語が近く商圏も重なるため、両国で事業を行うならEUTMが合理的で、国内出願を選ぶ場合はスロバキアの国内出願も合わせて検討します。

日本の商標制度との比較

項目 チェコ 日本
根拠法・官庁商標法(法律第441/2003号)・産業財産庁(ÚPV)商標法・特許庁
先行商標の審査職権拒絶なし(異議のみ)職権で審査(4条1項11号)
悪意の出願絶対的理由として職権で拒絶・無効理由(第4条・第32条)4条1項19号(不正の目的)など
登録までの期間平均6.3か月(2025年)約6〜10か月(早期審査あり)
異議申立登録前、公告から3か月(延長・回復・補充不可)、先行権利者のみ、1,000コルナ登録後、公報から2か月、何人も可
存続期間出願日から10年登録日から10年
不使用取消5年。ÚPVへの請求(2,000コルナ)3年。特許庁の審判
審決への不服庁内不服申立て→プラハ市裁判所→最高行政裁判所知財高裁→最高裁
侵害訴訟プラハ市裁判所の専属管轄(EU商標裁判所を兼ねる)東京・大阪地裁など
刑事罰2年以下。著しい規模なら6か月以上5年以下、大規模なら3年以上8年以下10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(78条)

日本企業がチェコ出願で押さえるべき実務ポイント

  1. 先行商標は自分で調べ、自分で守る。ÚPVは先行商標を理由に拒絶しません。出願前にÚPV・EUIPO・WIPOの登録簿を調べ、公告後3か月の異議期間を監視する体制が必要です。チェコに効力を持つ商標約227万件の9割超はEUTMかEU指定の国際商標です。
  2. 異議は3か月以内に理由と証拠をすべて揃える。期間は延長も回復もされず、期間後の補充も認められません。先行商標の登録証・使用証拠・翻訳を即座に用意できるよう、現地代理人と事前に段取りを決めておきます。
  3. 悪意の出願を根拠に使う。現地の代理店や元従業員による冒認出願には、絶対的理由である悪意の出願を根拠に、異議を待たず情報提供で拒絶を促し、登録後も無効を求められます。先に使用していた事実と時期を示す証拠を日頃から保存してください。
  4. 出願料は受理から1か月以内に納付。ÚPVは催告を送らず、未納なら出願はなかったものとみなされます。登録料はないため、出願時の納付が唯一の支払いです。
  5. 使用証明の要求を防御と攻撃の両方に。異議を受けたら、相手の先行商標が5年を超えていれば使用証明を要求できます。逆に自社の商標が5年を超えたら、チェコ向けの使用証拠を常に更新しておきます。使用証明の要求は2025年に急増しています。
  6. 庁段階で勝負を決める。ÚPVの決定が行政裁判所で覆る割合は1割程度です。異議・無効では、庁への最初の書面で主張と証拠を出し切ることが重要です。
  7. 侵害にはプラハ市裁判所と税関・商業監督庁の両輪で。仮処分で差止を得つつ、IPEP経由でAFAを登録して税関の水際差止を促し、市場での模倣品は商業監督庁への通報で押収と罰金を求めます。大規模な模倣業者には3年以上8年以下の刑事告訴も選択肢です。
  8. 中欧全体の設計を。EUTMはチェコ・スロバキア・ポーランド・ハンガリー・オーストリアをカバーしますが、英国・スイス・ウクライナはカバーしないため、対象地域に応じてマドプロ指定を組み合わせます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 登録までどのくらいかかりますか?

ÚPVの2025年の実績では、出願から公告まで平均2.1か月、出願から登録まで平均6.3か月です。公告から3か月の異議期間があり、異議がなければ登録証が発行されます。拒絶理由が通知された場合や異議があった場合はこれより長くなります。マドプロでチェコを指定した場合は、拒絶通報の期限が18か月なので、権利の確定まではこれより長くなることがあります。

Q2. ÚPVは先行商標を調べてくれますか?

ÚPVは先行商標を理由に職権で拒絶することはなく、先行商標との抵触は先行権利者が公告から3か月以内に異議を申し立てた場合にのみ判断されます。ÚPVは出願前の調査を推奨しており、自庁のデータベースのほかTMview・eSearch plus・Madrid Monitorでの調査を案内しています。一方、悪意の出願は絶対的理由としてÚPVが職権で拒絶します。

Q3. 現地代理人は必要ですか?

チェコに住所も営業所もない出願人は、ÚPVの手続においてチェコの弁理士(弁理士会所属)または弁護士(弁護士会所属)を代理人に選任する必要があります。日本企業は通常、チェコの現地代理人を通じて手続を行います。マドプロで指定した場合は、拒絶通報への応答や異議など争いが生じたときに初めて現地代理人が必要になります。

Q4. EUTMを持っていればチェコ国内商標は不要ですか?

EUTMはチェコを含むEU全域で効力を持つので、通常はEUTMだけで足ります。ただし、EUTMが他国の先行商標を理由に拒絶や無効のリスクを抱えている場合や、チェコに製造拠点があり現地の製品名・社名を確実に押さえたい場合は、約3.8万円で3区分・10年の保護が得られる国内出願を併用する価値があります。

Q5. 他社の放置された登録が障害になっています。どうすればよいですか?

請求前の5年間継続して使用されていなければ、ÚPVに取消を請求できます(2,000コルナ)。使用の証明責任は商標権者側にあり、決定にはÚPVへの不服申立て、プラハ市裁判所、最高行政裁判所で争えます。相手が同意する見込みがあれば、共存合意を結んで自社の出願を進める方法もあります。チェコでは先行商標の職権拒絶がないため、障害登録が自社の出願を直接妨げる場面は、相手が異議を出した場合に限られます。

Q6. 模倣品が見つかった場合、まず何をすべきですか?

証拠を保全したうえで、プラハ市裁判所に仮処分を申し立てるのが最も速い対応です。並行して、IPEPから税関措置の申立て(AFA)を行い、チェコ税関に水際と国内市場での差止を促します。店舗や市場での販売には商業監督庁(ČOI)への通報が有効で、ČOIは2025年に2万点を超える模倣品を押収しています。大規模な業者には刑法第268条の刑事告訴(最高8年)も選択肢です。

Q7. 費用の総額はどのくらいですか?

庁費用は3区分までの出願料5,000コルナ(約3.8万円)のみで、登録料はかかりません。4区分目以降は1区分500コルナです。これに現地代理人の費用(数百ユーロから1,000ユーロ程度)と日本側の手数料が加わり、1件あたり15万〜30万円程度が目安です。更新は10年ごとに2,500コルナ、異議は1,000コルナ、取消・無効の請求は2,000コルナです。中小企業は、INPITの外国出願補助金などの支援制度を活用すると負担を抑えられます。

チェコの商標制度は、絶対的理由のみを審査する安価で速い登録手続と、公告後3か月(延長・回復・補充不可)の異議、ÚPVの取消・無効手続と行政裁判所、プラハ市裁判所に集約された侵害訴訟という明快な仕組みが特徴です。悪意の出願が絶対的理由として明文化されている点は、冒認出願に悩む日本企業にとって心強い一方、年7,000件を超えるチェコ企業の国内出願とEUTMの両方を自社で監視する必要があります。中欧での展開を考える日本企業には、EUTMを軸に、製造拠点のあるチェコでは安価な国内出願を補完し、EU非加盟の近隣国はマドプロで指定する設計をおすすめします。

各国の商標制度は世界の商標制度ガイドをご覧ください。

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出典・参考文献

本記事は、以下の一次資料および専門家による解説を基に作成しています(いずれも2026年10月閲覧)。各項目に、本文のどの記述の根拠としたかを付記しています。

法令・公的機関の資料

  1. 商標法(Act No. 441/2003 Coll. on Trade Marks、2022年2月1日施行の改正まで反映)英訳(WIPO Lex掲載)/商標となりうる標識(第1a条)、絶対的理由と悪意の出願(第4条)、異議の根拠となる先行権利(第7条)、権利の内容と®表示(第8条)、使用義務5年(第13条)、絶対的理由の審査(第22条)、公告(第23条)、情報提供(第24条)、異議3か月・延長回復不可・補充不可(第25条)、異議手続(第26条)、使用証明(第26a条)、和解期間2か月以上(第26b条)、登録(第28条)、出願日から10年と更新通知(第29条)、不使用取消と3か月ルール(第31条)、無効(第32条)、不服申立て1か月(第42条)、期限の回復(第43条)、裁判所法改正によるプラハ市裁判所のEU商標裁判所指定の根拠。
    https://www.wipo.int/wipolex/en/legislation/details/22299
  2. 産業財産庁「National trademark application」/出願先と1出願1標識、出願料の受理から1か月以内の納付と未納時の効果、催告を送らないこと、先行商標調査の推奨(TMview・eSearch・Madrid Monitor)、出願日から10年の存続期間の根拠。
    https://upv.gov.cz/en/ip-rights/trademarks/national-trademark-application
  3. 産業財産庁「Trademarks」/ÚPVの商標関連手続の概要ページ。
    https://upv.gov.cz/en/ip-rights/trademarks
  4. 産業財産庁「Fees」(行政手数料法第634/2004号 手数料表 第138〜141項)/出願5,000コルナ(3区分)・団体商標10,000・追加区分500、変換5,000、分割5,000、異議1,000、更新2,500(団体5,000、満了後6か月以内は倍額)、取消・無効2,000、不服申立て1,000、国際出願2,500・国際登録の更新3,000・事後指定500の根拠。
    https://upv.gov.cz/en/ip-rights/fees
  5. 産業財産庁「International submission」/マドリッド協定・議定書に基づく国際出願の案内と手数料一覧の根拠。
    https://upv.gov.cz/en/ip-rights/trademarks/international-submission
  6. 産業財産庁「Výroční zpráva / Annual Report 2025」(PDF、2026年)/2025年の商標出願8,774件(国内7,714件:チェコ7,261・外国453、マドプロ指定1,060)、2024年の7,822件、登録6,224件(チェコ5,863・外国361)と国際登録1,048件、否定的決定647件、異議338+21件・処理365件、情報提供54件、取消請求76件・無効請求99件、出願から公告2.1か月・登録6.3か月(2024年2.0/6.6か月)、有効商標(国内127,095・CZ指定61,238・EU指定317,812・EUTM 1,766,373)、係属4,668件、平均区分4.12、不服申立て225件、行政訴訟21件とプラハ市裁判所・最高行政裁判所の判断件数の根拠。
    https://upv.gov.cz/files/uploads/PDF_Dokumenty/rocenky/Vyrocni_zprava_2025.pdf
  7. 産業財産庁「Annual reports」/年次報告の掲載ページ。
    https://upv.gov.cz/en/information-sources/publications/annual-reports
  8. Portál veřejné správy「Trademark registration」(チェコ政府ポータル)/チェコに住所のない自然人・法人はチェコの弁理士または弁護士に代理させなければならないことの根拠。
    https://portal.gov.cz/en/sluzby-vs/trademark-registration-S9641
  9. 産業財産権の行使に関する法律(Zákon č. 221/2006 Sb.、Zákony pro lidi)/民事救済(差止、回収・廃棄、損害賠償、不当利得、相当な満足、情報提供)とプラハ市裁判所の第一審管轄の根拠。
    https://www.zakonyprolidi.cz/cs/2006-221
  10. 刑法(Zákon č. 40/2009 Sb., trestní zákoník)第268条(Zákony pro lidi)/商標権侵害に対する2年以下の拘禁刑・活動禁止・没収、6か月以上5年以下、3年以上8年以下の加重の根拠。
    https://www.zakonyprolidi.cz/cs/2009-40
  11. 財務省「Zpráva o činnosti Finanční správy ČR a Celní správy ČR za rok 2025」(2026年6月29日、PDF)/税関による知的財産権行使の検査2,577件、うち違反1,025件(39.8%)の根拠。
    https://mf.gov.cz/assets/attachments/2026-06-29_Zprava-o-cinnosti-FS-a-CS-2025.pdf
  12. チェコ商業監督庁「Last year, CTIA seized 21,856 counterfeit items worth more than CZK 82.5 million」(2026年2月17日)/2025年の検査676件・違反324件(47.93%)、押収21,856点・8,256万670コルナ、罰金410件・799万7,000コルナ(模倣品関連253件・666万8,000コルナ)、模倣の多いブランドの根拠。
    https://coi.gov.cz/en/last-year-ctia-seized-21856-counterfeit-items-worth-more-than-czk-82-5-million/
  13. WIPO「Statistical Country Profile: Czechia」(2024年)/チェコ出願人の商標出願34,265区分(前年比15.1%増、世界42位)、チェコで有効な商標126,061件(世界51位)の根拠。
    https://www.wipo.int/edocs/statistics-country-profile/en/cz.pdf
  14. WIPO「Individual Fees under the Madrid Protocol」/チェコが個別手数料を宣言しておらず、補足手数料CHF 100が適用されることの根拠。
    https://www.wipo.int/madrid/en/fees/ind_taxes.html
  15. EU商標規則(Regulation (EU) 2017/1001)附属書I(EUR-Lex)/EUTMの出願料850/50/150ユーロと異議申立料320ユーロの根拠。
    https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2017/1001/oj
  16. 外務省「チェコ共和国 基礎データ」(2026年9月25日)/人口1,091万人、GDP 3,910億米ドル、1人当たりGDP 35,917米ドル、成長率2.5%、1コルナ=約7.50円、対日貿易(2025年)と品目、対チェコ直接投資累計、進出日系企業約270社、在留邦人2,915人の根拠。
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/czech/data.html

判例

  1. EU司法裁判所 加盟国判例データベース「Právo k ochranným známkám a omezení hospodářské soutěže」(チェコ最高裁 23 Cdo 1504/2024、2025年4月30日)/商標権と競争制限の関係に関する最高裁判決の存在・日付・事件番号の根拠。
    https://curia.europa.eu/site/jcms/p1_1000085887/en/pravo-k-ochrannym-znamkam-a-omezeni-hospodaske-soute

専門家・報道による解説

  1. Kurzy.cz「V ČR se ročně prodají padělky za 28 mld. Kč, na daních stát přichází o 13,7 miliardy」(2025年11月3日、プレスリリース)/Shubik & Partnersの分析による年間280億コルナの模倣品市場と137億コルナの税収損失、税関総局報道官による2024年の差止商品価値5億2,300万コルナ、SAPA市場の検査で97%の事案に模倣品があったことの根拠。
    https://zpravy.kurzy.cz/835521-v-cr-se-rocne-prodaji-padelky-za-28-mld-kc-na-danich-stat-prichazi-o-13-7-miliardy/

※本記事は上記の資料を基に、2026年10月時点の情報で一般的な情報提供を目的として作成しています。手数料(円換算額)・運用・判例は変更されることがあります。チェコ語の法令原文と英訳の間に差異がある場合は原文が優先されます。個別案件の具体的判断には、専門家へのご相談を推奨します。