...
フランス商標制度の実務ガイド|INPIは先行商標を審査しない・異議2か月・無効/取消はINPIでEUR 600・不使用5年・EUTMとの使い分けを弁理士が徹底解説
フランスはEU第2位の経済規模を持ち、ファッション・化粧品・食品・ワインなどブランド価値が売上を左右する産業が集積する国です。日本企業にとっても、パリを拠点とした欧州展開、日本食・日本酒の輸出、コスメやアパレルのライセンス供与などで、フランスでの商標保護が課題になる場面が増えています。フランス産業財産庁(INPI)への商標出願は2025年に103,645件(前年比+14.1%)と大きく伸びており、登録簿の混雑は進む一方です。
フランスの制度は、INPIが先行商標との抵触を審査しない「登録前異議型」で、異議期間が公告から2か月と短いこと、2020年4月から無効・取消をINPIの行政手続(庁費用EUR 600)で請求できるようになったこと、侵害の証拠を執行官が現場で押さえるsaisie-contrefaçon(模倣品差押)という独特の証拠収集手続があることなど、日本と大きく異なる点が多くあります。本記事では、知的財産法典(CPI)、INPIの2026年7月改定の公式手数料、INPIの2025年主要指標、2025年の破毀院(フランス最高裁)判決とEU司法裁判所判決を一次資料として、出願から異議・無効・権利行使・EUTMとの使い分けまでを弁理士が実務目線で整理します。
この記事のポイント
- 根拠法は知的財産法典(CPI)L.711-1条以下。2019年のPACTE法に基づくオルドナンスでEU商標指令に整合し、2020年4月1日からINPIで無効・取消の行政手続が始まった
- INPIは絶対的拒絶理由のみを審査し、先行商標との類似は審査しない。出願公告から2か月が異議期間(手数料EUR 400、追加の先行権利は+150)
- 出願庁費用は1区分EUR 190・追加区分40(2026年7月2日〜)。公告は出願から約6週間、異議がなければ出願から5〜6か月で登録。存続期間は出願日から10年
- 不使用取消の猶予は登録から5年。2025年5月の破毀院判決により、広い指定商品は「自律的な下位カテゴリー」ごとに使用証明が求められる
- 権利行使は10の指定裁判所に集中。saisie-contrefaçonと税関(2025年の押収は2,022万点)が実務の柱。EU域外の出願人はEU/EEA内の代理人が必要
目次
- フランス商標制度の全体像と法的枠組み
- EUTMとフランス国内商標の使い分け
- 保護対象と拒絶理由:INPIは先行商標を審査しない
- 出願手続の流れと審査期間
- 費用一覧(INPI公式手数料・2026年7月改定)
- 異議申立:公告後2か月・幅広い先行権利・使用証明の要求
- INPIでの無効・取消手続(2020年4月〜)と5年間の実績
- 使用義務と更新:下位カテゴリーごとの使用証明
- 権利行使:saisie-contrefaçon・指定裁判所・税関
- 最近の判例:2025年の破毀院判決とEU司法裁判所判決
- マドプロ指定と直接出願の使い分け
- 日本の商標制度との比較
- 日本企業がフランス出願で押さえるべき実務ポイント
- よくある質問(FAQ)
- 出典・参考文献
1. フランス商標制度の全体像と法的枠組み
LEGAL FRAMEWORK
知的財産法典(CPI)L.711-1条〜L.731-4条+規則R.712条以下。2019年11月13日のオルドナンス2019-1169号(PACTE法)でEU商標指令2015/2436を国内法化。管轄はINPI。先願主義・絶対的理由のみ審査・登録前異議型
フランスの商標は知的財産法典(Code de la propriété intellectuelle:CPI)第7部(L.711-1条以下)で規律され、所管はフランス産業財産庁(Institut national de la propriété industrielle:INPI)です。2019年のPACTE法(企業の成長・変革に関する法律)に基づくオルドナンス2019-1169号がEU商標指令(2015/2436)を国内法化し、図形的表現要件の撤廃、保証商標(marque de garantie)の導入、異議で援用できる先行権利の拡大、そして2020年4月1日からのINPIにおける無効・取消の行政手続という大きな改革が実現しました。
フランスはパリ条約の発祥国であり、マドリッド協定(1892年)・マドリッド議定書(1997年)にも早くから加盟しています。EU加盟国として欧州連合商標(EUTM)が直接効力を持つため、日本企業は「EUTM」「フランス国内商標」「マドプロでのフランス指定」の3つのルートを使い分けることになります。
2025年の出願動向
INPIの2025年主要指標によると、2025年の商標出願は103,645件(前年比+14.1%)で、数年の横ばいを経て大きく回復しました。出願人の内訳はフランス法人が約70%、フランスの個人が約19%で、外国出願人は約11%にとどまります。ドイツ(約9.3万件、外国出願が急増)やイスラエル(外国出願人が75%)と比べると、フランスの登録簿は「国内の中小企業と個人の出願」で埋まっているのが特徴で、日本企業が調査すると小規模な先行商標が多数見つかる傾向があります。
外国出願人の要件
フランス・EU・EEA域内に住所や営業所を持たない出願人は、INPIでの手続にEU/EEA域内の代理人(産業財産弁理士または弁護士)を選任する必要があります。手続言語はフランス語で、指定商品・役務もフランス語で記載します。異議や無効・取消の手続でも、EU/EEA域外の当事者には代理人の選任が義務付けられています。
2. EUTMとフランス国内商標の使い分け
EUTMはEU27か国を1件でカバーし、庁費用はEUR 1,050(1区分850+2区分目50+3区分目150)です。フランスだけを守るなら国内商標(1区分EUR 190)のほうが圧倒的に安く、EUTMは複数国で使う主力ブランド向けです。ただし、フランス国内商標には次のような固有の価値があります。
- フランス語での記述性リスクの回避:EUTMは加盟国のどれか1つの言語で記述的と判断されれば全体が拒絶されます。フランス語で記述的な語を含む商標はEUTMで拒絶されやすく、逆にフランス語以外の言語で記述的な語はフランス国内商標なら登録できることがあります。
- 先行権利の種類が広い異議・無効の「武器」:フランスでは商号・屋号・ドメイン名・地方公共団体の名称なども異議の根拠になります(6章)。フランス国内で確立した権利を先に固めておく意味があります。
- フランス市場固有の商品名:フランス限定の商品名や、日本語の音をフランス語風に綴ったブランドは国内商標で十分です。
- EUTMの不使用リスクの保険:EUTMは「EU域内での真正な使用」が求められ、使用が一国に限られると取消の争点になり得ます。フランスでしか使わないブランドは国内商標で維持するほうが安全です。
EUTMの制度全体は欧州連合商標(EUTM)の制度概要で、隣国の制度はドイツ・スイス・イギリスの各記事で解説しています。
3. 保護対象と拒絶理由:INPIは先行商標を審査しない
CPI L.711-1条は、商標を「自然人または法人の商品・役務を他人のものから識別する標識」と定義し、2019年改革で図形的表現要件が撤廃されたため、文字・図形・立体・位置・音・動き・マルチメディア・ホログラムなど、登録簿上で明確かつ正確に表せる標識であれば登録できます。団体商標(marque collective)と保証商標(marque de garantie)は出願手数料が高く設定されています(EUR 350)。
INPIが審査する絶対的拒絶理由(L.711-2条)
- 識別力の欠如、記述的・慣用的な標識、商品の性質や技術的機能から生じる形状
- 公序良俗違反、誤認を生じる標識、国旗・紋章などパリ条約6条の3の標識
- 保護された原産地呼称・地理的表示・伝統的名称・植物品種名との抵触
- 悪意(mauvaise foi)の出願:審査段階でも拒絶理由になり得るが、実務上は主に無効理由として争われる
相対的拒絶理由は審査されない:INPIは先行商標や商号との抵触(L.711-3条)を職権で審査しません。先行商標と同一の商標でも、異議が出なければそのまま登録されます。第三者は公告から2か月以内に「意見書(observations)」を提出できますが、INPIに考慮義務はなく、先行権利者は異議申立で対抗する必要があります。日本のように「特許庁が類似商標を止めてくれる」ことを前提にできないため、出願前調査と登録後の監視が制度の要になります。
周知・著名商標
未登録の周知商標はパリ条約6条の2に基づき保護されますが、フランスの判例は厳格で、フランスの需要者の間で強い知名度があり商品・役務と自然に結び付けられていることの立証が求められます。登録された著名商標(marque renommée)は非類似の商品・役務にも保護が及び、異議・無効の根拠にも使えます。
4. 出願手続の流れと審査期間
PROCEDURE
電子出願 → 出願公告(約6週間) → 方式・絶対的理由の審査/2か月の異議・意見書期間 → 登録公告・登録証(最短5か月、通常5〜6か月) → 出願日から10年
- 出願:INPIの電子手続ポータルからのオンライン出願のみです。多区分出願が可能で、指定商品・役務はニース分類に従いフランス語で具体的に記載します。出願後の補正・誤記訂正にはEUR 104の手数料がかかるため、出願前の確認が重要です。優先権はパリ条約に基づき日本出願から6か月以内に主張でき、優先権証明書とその翻訳は出願から3か月以内に提出します。
- 出願公告:出願は約6週間で産業財産公報(BOPI)に公告され、この公告日から2か月の異議申立・意見書提出期間が始まります。日本と同様の「登録前異議」型です。
- 審査:方式要件と絶対的拒絶理由が審査されます。拒絶理由や不備があれば通知され、指定された期間(通常1か月程度)に応答・補正します。加速審査の制度はありません。
- 登録:異議がなく拒絶理由も解消されれば、出願から最短5か月で登録がBOPIに公告され、登録証が発行されます。実務上の目安は異議なしで5〜6か月、異議を退けて登録される場合は1年前後です。
- 存続期間・更新:出願日から10年で、更新は満了前の1年間に申請できます。満了後6か月の猶予期間は更新手数料の50%の割増で更新可能で、それを過ぎると失効します。
5. 費用一覧(INPI公式手数料・2026年7月改定)
INPIの庁費用はユーロ建てで、欧州の主要庁の中でも低廉です(1EUR≒170〜175円で換算すると1区分の出願で約3.3万円)。2026年7月2日適用の手数料表から商標関連を抜粋します。
| 項目 | 庁費用(EUR) | 備考 |
|---|---|---|
| 出願(1区分) | 190 | 追加区分は各40。団体商標・保証商標は350 |
| 補正・誤記訂正 | 104 | 出願後の修正に発生 |
| 異議申立 | 400 | 2件目以降の先行権利は各+150 |
| 無効・取消請求 | 600 | 無効で2件目以降の先行権利は各+150 |
| 更新(1区分) | 290 | 追加区分は各40。団体・保証商標は450。猶予期間は+50% |
| 権利回復請求 | 156 | 期限徒過の救済 |
| 出願・登録の分割 | 150 | — |
| 登録簿への記録(移転・ライセンス等) | 27/件(上限270) | 名称・住所変更は無料。加速処理は+52 |
| INPI経由の国際出願(マドプロ)取扱 | 62 | WIPOの手数料は別途 |
日本からマドプロでフランスを指定する場合、フランスは個別手数料を採用していないため、WIPOの基本手数料に加えて標準の補足手数料(指定国ごとCHF 100)と付加手数料(4区分目からCHF 100/区分)を納付するだけで済みます。EU全体を指定するならEUTMの個別手数料を選ぶことになります。複数国出願の費用比較はマドプロの費用とメリットをご覧ください。
補助金の活用:中小企業のフランスへの商標出願費用は、INPIT外国出願補助金(費用の1/2、商標1出願あたり上限60万円)の対象になります。
6. 異議申立:公告後2か月・幅広い先行権利・使用証明の要求
- 期間・手数料:出願公告から2か月以内(延長不可、手数料の納付日が申立日)。庁費用EUR 400、同一申立人の追加の先行権利は各+150。2019年改革で複数の先行権利を1件の異議にまとめられるようになりました
- 援用できる先行権利(L.712-4条):フランス商標・EUTM・フランスを指定する国際登録、周知商標・著名商標、商号・屋号・ドメイン名、原産地呼称・地理的表示、地方公共団体の名称・イメージ・評判、公的機関の名称など。日本より格段に広く、日本企業が「商標として登録していない」ブランド名でも商号や周知性で対抗できる余地があります
- 手続の流れ:申立後1か月以内に理由・証拠を補充(範囲の拡大は不可)→出願人の答弁と書面のやり取り(審理段階)→審理終了から3か月以内にINPI長官が決定(期間内に決定がなければ却下とみなす)。双方の申請で4か月の手続停止(2回まで更新)が可能で、共存合意の交渉に使われます。全体で6〜12か月が目安です
- 使用証明の要求:先行商標の登録から5年を経過していれば、出願人は先行商標の真正な使用の証明を求められます。証明できない商品・役務は異議の根拠から外れ、すべて証明できなければ異議は退けられます。証拠は商品・役務ごとに対応付けて番号を付す形式主義が要求されます
- 不服申立:INPI長官の決定に対しては1か月以内に控訴院(パリなど)へ申し立てます。EU/EEA域外の異議申立人には代理人の選任が必須です
2か月は短い:年間10万件超の出願があり、INPIは類似商標を止めません。公告から2か月で異議の準備(先行権利の特定、類否の整理、5年経過商標なら使用証拠の準備)を終える必要があるため、フランスを重要市場とする企業はINPI・EUIPO・WIPOの公告を対象とした商標ウォッチングを組み込み、発見から2週間以内に方針を決める体制が必要です。
7. INPIでの無効・取消手続(2020年4月〜)と5年間の実績
2020年4月1日から、登録商標の無効(nullité)と取消(déchéance)をINPIの行政手続で請求できるようになりました。それ以前は裁判所に提訴するしかなく、費用と時間の面で中小企業には使いにくい制度でしたが、庁費用EUR 600・平均8か月半で結論が出る手続に変わり、利用が急増しています。
| 手続 | 理由 | 請求人・期間制限 |
|---|---|---|
| 無効(絶対的理由) | 識別力欠如・記述的・誤認・公序良俗違反・悪意の出願など(出願時を基準) | 誰でも請求可(利害関係不要)。期間制限なし |
| 無効(相対的理由) | 先行商標・著名商標・商号・屋号・ドメイン名・地理的表示・公的機関の名称との抵触 | 先行権利者のみ。5年以上知りながら黙認していると請求できない(L.716-2-8条) |
| 取消 | 5年間の不使用、普通名称化、権利者の使用による誤認 | 誰でも請求可。取消の効果は請求日(または理由発生日)から |
著作権・意匠権・人格権に基づく無効や、侵害訴訟・不正競争訴訟と関連する無効・取消は、従来どおり裁判所の専属管轄です。手続は書面の交換(最大3往復)と任意の口頭審理で進み、双方の申請で4か月の停止(2回まで)も可能です。審理終了から3か月以内に決定が出され、控訴院に不服申立てができます。INPIは勝訴側に手続費用(書面段階EUR 600・代理人費用500・口頭審理100を上限)の負担を命じることができます。
制度開始から5年の実績(2020年4月〜2025年)
INPIには約2,200件の無効・取消請求が提出され、1,800件超の決定が出されました(年平均約440件で、改革前に裁判所で争われていた件数を大きく上回ります)。内訳は無効60%・取消40%で、無効の70%は先行商標を理由とし、悪意を理由とする請求も20%超あります。85%の事件で請求が認容され、先行商標に基づく無効の認容率は85%超、商号に基づくものは約50%、悪意は約50%、絶対的理由(悪意を除く)は約30%です。平均期間は8.5か月(争いがなければ7か月、複雑な事件で17か月)、請求人の35%超が中小企業、30%が和解で終了しています。
8. 使用義務と更新:下位カテゴリーごとの使用証明
登録から5年の猶予期間内に、指定商品・役務についてフランスで真正な使用を開始しなければ、5年間の不使用を理由に取消を請求され得ます(L.714-5条)。使用の立証責任は権利者にあり、象徴的な使用では足りません。権利者の同意を得たライセンシー・子会社の使用は権利者の使用と認められ、識別力を変えない範囲での変形使用も有効です。
広い指定商品は「下位カテゴリー」ごとに証明が必要(破毀院 2025年5月14日):「輸送」を指定した商標について、タクシー事業での使用だけで輸送全体の使用を認めた控訴院判決を破毀院は破棄し、タクシー輸送が「自律的で一貫した下位カテゴリー」にあたるかを、ニース分類ではなく商品・役務の目的と用途に基づいて判断すべきとしました(G7事件、23-21.296号)。同日の化粧品の事件(23-21.866号)でも同じ判断が示されています。日本企業が慣行的に広く指定した商品・役務は、フランスでは使っている部分に切り分けられる前提で、市場セグメントごとに使用証拠(日付入りの請求書・広告・カタログ)を整理しておく必要があります。
更新は出願日から10年ごとで、満了前1年から申請でき、満了後6か月は50%の割増で更新できます。各国の使用義務・更新の違いは各国の使用証明・更新・維持義務の世界比較で整理しています。
9. 権利行使:saisie-contrefaçon・指定裁判所・税関
saisie-contrefaçon(模倣品差押):フランス流の証拠収集
フランスの商標侵害訴訟で最も特徴的なのが、提訴前に裁判所の許可を得て執行官(commissaire de justice)が侵害者の店舗・倉庫・工場に立ち入り、侵害品・帳簿・書類を記録・押収するsaisie-contrefaçonです。相手方に事前通知なしで実施され、侵害の事実だけでなく数量・仕入先・販売先まで証拠化できるため、ディスカバリーのないフランスで損害額を立証する主要な手段になっています。実施後、一定期間内(原則1か月程度)に本案訴訟を提起しなければ差押は無効になります。
裁判所・仮処分・損害賠償
- 管轄裁判所:商標侵害訴訟はパリ、ボルドー、リール、リヨン、マルセイユ、ナンテール、ナンシー、レンヌ、ストラスブール、フォール・ド・フランスの10の司法裁判所(tribunal judiciaire)に専属管轄が集中し、EUTMの侵害はパリ司法裁判所のみが扱います。控訴は控訴院、上告は法律問題に限り破毀院です
- 仮処分:権利の存在、侵害行為の特定、緊急性を示せば、侵害品の差押・販売禁止・SNS上のコンテンツ遮断などが命じられます。原告のリスク負担で発動され、本案で侵害が否定されれば損害賠償責任を負います
- 損害賠償:L.716-4-10条により、権利者が被った経済的不利益(逸失利益を含む)、精神的損害、侵害者が得た利益の3要素を考慮して算定されます。証拠が不十分な場合は合理的ライセンス料を基礎とした一括額の請求が可能です。懲罰的損害賠償はなく、敗訴者が負担する弁護士費用も裁判所が定める定額が中心です
- 時効・黙認:侵害訴訟の時効は最後の侵害行為から5年。登録商標の使用を5年以上知りながら黙認した先行権利者は、その商標の無効を主張できません(L.716-2-8条)
- 刑事:商標侵害は刑事罰の対象で、組織的な場合は加重されます。刑事告訴は民事と並行して可能ですが、実務では民事が中心です
税関:2025年に2,022万点を押収
フランス税関は2025年に2,022万点の模倣品を押収し、直近3年間の累計は6,000万点を超えました。玩具・ゲーム・スポーツ用品が65%を占め、越境ECの小口貨物(郵便・エクスプレス便)だけで約283万点が押収されています。権利者からの税関介入申請(demande d'intervention)は年間1,490件で、EU加盟国で2番目の規模です。EU税関規則に基づく申請をしておけば、税関が疑義品を留置し、荷送人・輸入者・数量・原産地などの情報を権利者に提供します。フランスに商品を輸出する日本企業は、登録と同時に税関申請を行うのが定石です。
10. 最近の判例:2025年の破毀院判決とEU司法裁判所判決
Monster Energy v. Onyx(破毀院 2025年11月13日、23-11.522号):混同のおそれは「出願された標識」で判断
飲料のEUTM「REFRESH THE BEAST!」「HYDRATE THE BEAST!」の権利者が、ビール等の商標「La Bête BIÈRE DE CARACTÈRE」に異議を申し立てた事件。ヴェルサイユ控訴院は、後願商標の実際の色彩や店頭での見え方を理由に混同のおそれを否定しましたが、破毀院はこれを破棄し、混同のおそれは出願・登録された標識と指定商品・役務そのものに基づいて判断し、市場での実際の使用態様は考慮しないと改めて判示しました。出願時の標識の形と指定商品の書き方がそのまま保護範囲を決めることを示す判決です。
Bébé Lilly(破毀院 2025年10月15日、24-10.651号):冒認商標を取り戻した後の更新期限
2006年に第三者が冒認出願した商標「Bébé Lilly」について、真の権利者が2008年に返還請求(revendication)を提起し、2022年の控訴院判決で勝訴して名義移転が登録されました。その後の更新申請をINPIが「2016年の満了から遅すぎる」として拒絶したのに対し、破毀院は、訴訟中は権利を行使できなかった真の権利者に厳格な更新期限を適用することは財産権の保護(欧州人権条約第1議定書1条)に反するとし、更新の猶予期間は名義移転の登録日から起算すると判断しました。冒認出願の被害者にとって重要な救済判例です。
G7事件ほか(破毀院 2025年5月14日):下位カテゴリーごとの使用証明
8章で述べたとおり、広い指定役務「輸送」について、タクシー事業の使用だけで全体の使用を認めることはできず、目的と用途に基づく自律的な下位カテゴリーの有無を審理すべきとした判決です。不使用取消の攻撃・防御の双方で、フランスでは指定商品を細かく切り分けて主張する実務が定着しつつあります。
デザイナー名商標の取消(EU司法裁判所 2025年12月18日、C-168/24)
フランス破毀院からの付託を受けたEU司法裁判所は、デザイナーの姓を含む商標を譲り受けた会社が、デザイナーとの関係終了後も当該デザイナーが商品の企画に関与していると平均的消費者に誤信させるような使用をしている場合、誤認を理由とする取消(指令20条(b)、CPI L.714-6条(b))が可能だと判示しました。2006年のEmanuel判決以来「名前の商標は譲渡後も安泰」とされてきた実務を修正するもので、フランスのファッション・コスメ分野でデザイナー名のブランドをライセンス・買収する際の契約設計に直接影響します。
11. マドプロ指定と直接出願の使い分け
フランスは1997年からマドリッド議定書に加盟しており、INPIの暫定拒絶の通報期限は12か月(18か月の宣言なし)です。個別手数料を採用していないため、指定の費用は標準の補足手数料(CHF 100)で済みます。指定を受けた国際登録は国内出願と同じ基準で審査・公告され、2か月の異議の対象になります。
| 観点 | マドプロでフランスを指定 | INPIへ直接出願 |
|---|---|---|
| 庁費用(1区分) | 補足手数料CHF 100(+WIPO基本手数料) | EUR 190 |
| 現地代理人 | 拒絶・異議がなければ不要。暫定拒絶への応答にはEU/EEA内の代理人が必要 | EU/EEA域外の出願人は必須 |
| 言語 | 英語で出願可(WIPOが仏語訳) | フランス語 |
| 結果判明 | 12か月以内に暫定拒絶の有無が判明 | 5〜6か月で登録(異議なし) |
| 指定商品の記載 | 基礎出願に従う。広すぎる記載は不使用取消で切り分けられるリスク | フランス市場に合わせて具体的に調整できる |
| セントラルアタック | 基礎登録が5年以内に消滅すると連動して失効(国内出願への転換は可) | 影響なし |
| 向いているケース | 欧州の複数国(EU非加盟のスイス・英国・ノルウェーを含む)を同時にカバーする文字商標 | フランス語圏向けの商品名、フランス語の記述性で争いが予想される商標、早く登録したい商標 |
EU全体を守るなら、マドプロで「EU」を指定するかEUIPOへ直接出願する選択肢もあります。フランス以外のEU加盟国で個別に国内商標を取る必要があるかは、各国の言語での記述性やライセンス先の所在地から判断します。
12. 日本の商標制度との比較
| 項目 | フランス(INPI) | 日本(特許庁) |
|---|---|---|
| 先行商標との類似の審査 | 職権審査なし(異議・無効で争う) | 職権審査あり |
| 異議 | 登録前・出願公告から2か月・EUR 400。商号・ドメイン名・自治体名も根拠になる | 登録後・公報から2か月・書面審理 |
| 登録までの期間 | 5〜6か月(加速審査なし) | 6〜8か月程度(早期審査あり) |
| 無効・取消の窓口 | INPIの行政手続(EUR 600、平均8.5か月)。著作権・意匠・人格権や侵害訴訟と関連する場合は裁判所 | 特許庁の審判 |
| 不使用取消の猶予 | 5年(下位カテゴリーごとに使用証明) | 3年 |
| 存続期間 | 出願日から10年 | 登録日から10年 |
| 出願庁費用(1区分) | EUR 190(約3.3万円、10年分込み) | 出願12,000円+8,600円、登録料32,900円 |
| 証拠収集 | saisie-contrefaçon(執行官による現場差押) | 証拠保全・文書提出命令が中心 |
| 出願件数(2025年) | 約10.4万件(外国出願人は約11%) | 約13万件前後 |
13. 日本企業がフランス出願で押さえるべき実務ポイント
- EUTMと国内商標の役割分担を決める:欧州全体の主力ブランドはEUTM、フランス語圏向けの商品名やフランス語の記述性が問題になる語は国内商標、重要ブランドは両方。
- フランス語での意味・響きを確認する:日本語や英語では問題ない語がフランス語で記述的・否定的な意味を持つことがある。INPIは絶対的理由のみ審査するため、この点が拒絶の主戦場になる。
- 出願前にINPI・EUIPO・WIPOの登録簿に加えて商号・ドメイン名も調査する:フランスでは商号やドメイン名も異議・無効の根拠になるため、商標登録簿だけの調査では足りない。
- 指定商品・役務は使う範囲で具体的に:広い記載は5年後に下位カテゴリーごとに切り分けられる。使用開始後は市場セグメントごとに日付入りの証拠を保存する。
- 公告監視と2か月の異議期限を管理する:INPIは類似商標を止めない。期間経過後はINPIへの無効請求(EUR 600)で対応できるが、5年以上黙認すると請求できなくなる。
- 登録と同時に税関介入申請を行う:年間2,000万点超を押収する税関はフランスで最も費用対効果の高い執行手段。
- 侵害を見つけたらsaisie-contrefaçonを検討する:警告書を先に送ると証拠を隠される。現地弁護士と相談し、差押の許可申請から本案提訴までの日程を一気に組む。
- デザイナー名・創業者名のブランドは契約で使用態様を縛る:2025年のEU司法裁判所判決により、本人の関与を誤信させる使用は取消理由になり得る。
よくある質問(FAQ)
Q1. EUTMを持っていれば、フランス国内商標は不要ですか?
保護の範囲としては不要です。ただし、フランス語での記述性でEUTMが拒絶・無効になるリスクの保険、フランス限定の商品名の保護、フランスでしか使わないブランドの不使用リスク回避の観点から、国内商標を併用する企業が多くあります。庁費用がEUR 190と安いことも理由です。
Q2. 登録までどのくらいかかりますか?
出願から約6週間で公告され、2か月の異議期間と審査を経て、異議がなければ最短5か月、通常5〜6か月で登録されます。加速審査の制度はありません。異議を退けて登録される場合は1年前後かかります。
Q3. 費用はいくらかかりますか?
庁費用は1区分EUR 190、追加区分EUR 40(2026年7月改定)で、10年分の保護を含みます。更新はEUR 290+40/区分です。EU/EEA域外の出願人は現地代理人が必須なので、その費用が加わります。中小企業はINPIT外国出願補助金で費用の1/2の助成を受けられる場合があります。
Q4. 異議期間の2か月を過ぎてしまいました。
登録後はINPIに無効請求(EUR 600、追加の先行権利は+150)ができます。先行商標に基づく無効の認容率は85%超で、平均8.5か月で結論が出ます。ただし、相手の商標の使用を5年以上知りながら黙認していると請求できなくなるため、発見したら早めに動いてください。
Q5. 日本ブランドをフランスで先取り登録されました。
公告から2か月以内なら、先行商標・周知性・商号などに基づく異議が可能です。登録後は、悪意の出願を理由とする無効請求(期間制限なし、認容率約50%)、または真の権利者への返還請求(revendication)を裁判所に提起します。2025年10月の破毀院判決により、返還後の更新期限は名義移転の登録日から起算されるので、長期の訴訟でも権利を失いません。相手が5年以上使っていなければ不使用取消も並行して検討します。
Q6. 模倣品がフランスで売られています。何から始めるべきですか?
輸入品なら税関介入申請が最も早く効果が出ます。国内で製造・流通している場合は、警告書の前にsaisie-contrefaçonで証拠を押さえ、指定裁判所(多くはパリ司法裁判所)に本案訴訟と仮処分を提起するのがフランス流です。差押から本案提訴までの期限が短いため、現地弁護士と日程を先に組んでから着手してください。
まとめ
フランスの商標制度は、庁費用が安く登録も5〜6か月と速い一方で、INPIが先行商標を審査せず、異議期間が2か月しかないため、「調査・監視・使用証拠」を権利者自身が管理する必要があります。2020年からINPIで無効・取消を低コストで請求できるようになり、先行商標に基づく無効は85%超の認容率で、休眠商標の整理も先取り登録への対抗も行政手続で完結しやすくなりました。EUTMとの役割分担、フランス語での記述性チェック、指定商品の具体化と下位カテゴリーごとの使用証拠、登録と同時の税関申請、そして侵害発見時のsaisie-contrefaçonを運用に組み込むことが、フランスでのブランド保護の要諦です。
フランスの意匠制度はフランスの意匠制度概要で解説しています。各国の商標制度は世界の商標制度ガイドをご覧ください。
フランス・欧州への商標出願は弁理士にご相談ください
EUTMとフランス国内商標の使い分け、フランス語での商標調査、異議・無効への対応、税関申請、INPIT外国出願補助金の申請まで、知的財産事務所エボリクスが一貫してサポートします。初回相談は無料です。
出典・参考文献
本記事は、以下の一次資料および専門家による解説を基に作成しています(いずれも2026年9月閲覧)。各項目に、本文のどの記述の根拠としたかを付記しています。
法令・公的機関の資料
- 知的財産法典(Code de la propriété intellectuelle)原文(Légifrance)/商標の定義と登録要件(L.711-1条〜L.711-3条)、異議(L.712-4条以下)、更新(L.712-9条)、取消(L.714-5条・L.714-6条)、黙認(L.716-2-8条)、損害賠償(L.716-4-10条)など制度全般の根拠。
https://www.legifrance.gouv.fr/codes/id/LEGITEXT000006069414/ - オルドナンス2019-1169号(2019年11月13日、商標に関するもの)(Légifrance)/EU商標指令の国内法化、図形的表現要件の撤廃、保証商標、異議で援用できる先行権利の拡大、INPIにおける無効・取消手続の創設(2020年4月1日施行)の根拠。
https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000039373287 - INPI「Tarifs applicables au 2 juillet 2026」(2026年7月2日適用の公式手数料表)/5章の手数料表(出願190・追加区分40・団体/保証商標350・訂正104・異議400+150・無効/取消600+150・更新290+40・団体/保証商標更新450・猶予期間50%割増・権利回復156・分割150・登録簿記録27(上限270)・加速処理52・国際出願取扱62)の根拠。
https://www.inpi.fr/inpi-block/download-document?id=20516 - INPI「The key stages of trademark registration」(商標登録の手順)/電子出願、約6週間での公告、方式・実体審査、2か月の異議・意見書期間、最短5か月での登録、共同出願人の代理人選任、訂正手数料の根拠。
https://www.inpi.fr/en/protect-your-creations/protect-your-brand/the-key-stages-of-trademark-registration - INPI「Request the invalidity or revocation of a trademark」(無効・取消請求の案内)/請求人適格、無効・取消の理由、裁判所の専属管轄となる場合、手数料EUR 600+150、手続の流れ(書面交換最大3回・口頭審理・4か月の停止)、審理終了から3か月以内の決定、費用負担の上限、控訴院への不服申立の根拠。
https://www.inpi.fr/en/realiser-demarches/propriete-intellectuelle/demander-nullite-ou-decheance-dune-marque - INPI「Chiffres clés INPI 2025」(2025年主要指標)および「Rapport annuel 2025」(年次報告書2025)/2025年の商標出願103,645件(+14.1%)、出願人の内訳(フランス法人約70%・個人約19%・外国約11%)の根拠。
https://www.inpi.fr/espace-presse/chiffres-cles-inpi-2025-un-fort-rebond-des-depots-de-brevets-et-de-marques
https://www.inpi.fr/a-la-une/rapport-annuel-2025 - フランス経済・財務省 プレスリリース「Résultats de la Douane française pour l'année 2025」(2026年)/2025年の税関による模倣品押収2,022万点、3年累計6,000万点超、玩具・ゲーム・スポーツ用品65%、小口貨物での押収約283万点の根拠。
https://presse.economie.gouv.fr/406-cp-amelie-de-montchalin-presente-les-resultats-de-la-douane-francaise-pour-lannee-2025/ - WIPO マドリッド制度「Time limits to respond to provisional refusals」および「Individual Fees」/フランスの暫定拒絶通報期限が12か月であること、フランスが個別手数料を採用していない(補足手数料CHF 100)ことの根拠。
https://www.wipo.int/en/web/madrid-system/members/provisional-refusal-time-limits-to-respond
https://www.wipo.int/madrid/en/fees/ind_taxes.html - 欧州連合知的財産庁(EUIPO)「Fees and payments」/2章のEUTM庁費用(1区分EUR 850・2区分目50・3区分目以降150)の根拠。
https://www.euipo.europa.eu/en/trade-marks/before-applying/fees-payments
実務ガイド・専門家による解説
- Chambers and Partners「Trade Marks & Copyright 2026 – France」(2026年2月17日更新)/保護対象、INPIの審査範囲(絶対的理由のみ)と第三者の意見書、異議の理由と手続、周知商標の要件、10の指定裁判所、仮処分、saisie-contrefaçon、税関、損害賠償の算定要素、時効5年と黙認、2025年5月14日の破毀院判決の解説の根拠。
https://practiceguides.chambers.com/practice-guides/trade-marks-copyright-2026/france - Dreyfus & associés「French opposition proceedings」/異議の申立人と先行権利、2か月の期限、1か月の補充期間、手続停止(4か月・2回まで)、審理終了から3か月以内の決定、使用証明の要求、控訴院への1か月以内の不服申立、EU/EEA域外の申立人の代理人義務、実務上の期間6〜12か月の根拠。
https://www.dreyfus.fr/en/trademark-law/french-opposition-proceedings/ - Aurilex「Five Years of France's Trademark Reform: How INPI's Invalidity and Revocation Procedures Reshaped Brand Protection」(2025年9月4日)/7章の実績(約2,200件の請求・1,800件超の決定・年平均約440件・無効60%/取消40%・認容率85%・理由別の認容率・平均8.5か月・中小企業35%超・和解30%)の根拠。
https://www.aurilex.com/five-years-of-frances-trademark-reform-how-inpis-invalidity-and-revocation-procedures-reshaped-brand-protection - IP Coster「Trademark registration in France – IP Guide」/EU/EEA域外の出願人の代理人要件、優先権証明書の提出期限(3か月)、登録までの平均期間(4〜6か月)、更新の申請期間と猶予6か月の根拠。
https://ip-coster.com/IPGuides/trademark-france - Plasseraud IP「Lutte contre la contrefaçon : les résultats de la Douane française pour l'année 2025」(2026年2月27日)/税関介入申請1,490件(EU加盟国で2位)、品目別の内訳の根拠。
https://www.plass.com/fr/actualites/lutte-contre-la-contrefacon-les-resultats-de-la-douane-francaise-pour-lannee-2025
判例・実務動向
- 破毀院商事部 2025年10月15日判決 24-10.651号「Bébé Lilly」(Légifrance 判例全文)/冒認商標の返還請求後の更新期限を名義移転の登録日から起算するとした判断の根拠。
https://www.legifrance.gouv.fr/juri/id/JURITEXT000052403865 - Dreyfus & associés「Opposition to trademark registration: to what extent do the conditions under which trademarks are used influence the assessment of the likelihood of confusion?」(2026年3月17日)/破毀院2025年11月13日判決 23-11.522号(Monster Energy v. Onyx)の事案と判旨の根拠。
https://www.dreyfus.fr/en/2026/03/17/opposition-to-trademark-registration-to-what-extent-do-the-conditions-under-which-trademarks-are-used-influence-the-assessment-of-the-likelihood-of-confusion/ - Dreyfus & associés「Why is proving genuine use particularly challenging for trademarks covering an overly broad specification of goods and services?」(2025年10月17日)/破毀院2025年5月14日判決 23-21.296号(G7事件)・23-21.866号の事案、下位カテゴリーの判断基準、実務上の推奨の根拠。
https://www.dreyfus.fr/en/2025/10/17/why-is-proving-genuine-use-particularly-challenging-for-trademarks-covering-an-overly-broad-specification-of-goods-and-services/ - Kohen Avocats「La déchéance des marques patronymiques pour usage trompeur après cession : l'arrêt de la CJUE du 18 décembre 2025」(2026年5月31日)/EU司法裁判所2025年12月18日判決 C-168/24(破毀院からの付託)の判旨、Emanuel判決(C-259/04)からの変更、CPI L.714-6条(b)への影響の根拠。
https://kohenavocats.fr/2026/05/31/decheance-marques-patronymiques-usage-trompeur-cjue-2025/ - 日本貿易振興機構(JETRO)「フランス」国・地域情報/冒頭のフランス経済・日本企業の進出状況に関する背景情報。
https://www.jetro.go.jp/world/europe/fr/
※本記事は上記の資料を基に、2026年9月時点の情報で一般的な情報提供を目的として作成しています。手数料・運用・判例は変更されることがあり、フランス語原文と英訳の間に差異がある場合はフランス語原文が優先されます。個別案件の具体的判断には、専門家へのご相談を推奨します。